彼女達との思い出
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129:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2016/12/13(火) 00:37:57.06 ID:r7ul+eXo0
結衣の心のうちは、実際は分からない。
でも、僕は心で、いつも言い聞かせていた。
「僕は、結衣にとっての『仮の恋人』」

そう。遠距離恋愛で埋められないものを、僕が埋める。
決して、関係を持ってはいけない。

不思議と、性欲は沸かなかった。同情が強かったのか、彼氏や淳に遠慮したのか。

その週末、結衣に会った。

結衣「ありがとう。」
僕「何が?」
結衣「根回ししたの、竜也君でしょ?」
僕「ちょっと意味が分からないよ。」
結衣「お局に呼ばれたわ。『結衣ちゃん!怖い思いさせてたんだね!もう大丈夫だからね!何かあったらすぐ言ってね!』って言われた。」
僕「冷静に考えなよ・・・お局って誰?僕、その人と接点ないよ・・・」

結衣「あるよ。お局、重役さん以外にも沢村さんとも関係持ってたってこっそり聞いたよ?」
僕「あのね。ドラマじゃないんだから、そんなことがあるわけないでしょ?」

結衣「じー。」
結衣は、本当に可愛い。その大きな瞳で、まっすぐに見つめられると、一瞬で恋に落ちてしまうくらいに。
僕「・・・何、襲われたいの?僕、今けっこうイライラしてるよ?呼び出しておいて、僕を犯人みたいに問い詰めるの?いい加減にしなよ。」

結衣「ごめん。助けてもらったのに詮索しちゃった。本当に感謝してるの。それだけなの。」
僕「感謝される筋合いは、特にないからさ、恩を感じる必要はないよ。結衣は今まで通り仕事に打ち込みなよ。ほら、ご飯さめちゃうよ。食べよう。」
結衣「うん・・・」

帰り際に、言われた。
結衣「やっぱり、貸しは作りたくない。」
僕「頑固だな・・・貸し借りなんでないよ・・」
結衣「私を馬鹿にしないでほしい。私は守られてる子じゃない。ちゃんとした社会人よ?」
僕「・・・」
結衣「社会人として、受けた恩はきっちり返します。」

僕「逆に言うよ。結衣が、僕に返せるものって何?僕は何も望んでないよ。今まで通りに良い同期として付き合ってくれ。それだけだよ。」
結衣「・・・私、自分がモテてる自覚あるよ?」

僕「・・・それで?」
結衣「その・・・お礼としてなら・・・ひ、一晩くらいなら・・」
結衣の顔は真っ赤になっていた。

僕はなんとなく断った。
きっと、結衣のことを何とも思ってなかったのなら、喜んで乗っただろう。
僕にとっては、結衣というのは社会人前からの知り合いなわけで、信頼できる同士でありたいと思っていた。
結衣も、分かってる。僕に恋愛感情なんてないはずだ。

僕「いいよそういうの。彼氏がいるくせに、恥を知れ。」
僕は冷たく言い放った。

結衣「本当だよね・・私何言ってるんだろう・・混乱してるのかな。」
僕「ま、愚痴はいくらでも聞くから、いつでもいらっしゃい。そのかわり」
結衣「そのかわり?」
僕「襲われても文句言うなよw」
結衣「おいwさっきと話が違うだろwwでもその時はその時でどんとこいw」

こうして、不思議なつながりを持つ同期ができた。

結衣は、その後、困難を乗り越え、数年後に遠距離恋愛中だった彼と結婚する。
そして、彼の仕事先の地方に転勤願を出し、その地方で暮らす。

2人だけの秘密。2人だけの関係。
誓って言える。彼女とは、肉体関係はなかった。
しかし、それ以外の確かなつながりが、あった。




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