彼女達との思い出
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180:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2016/12/16(金) 14:10:15.20 ID:RavIwk5f0
3月も終わりに近づいた。
事務の女性2人は、すっかり馴染んでいた。

靖子さんは、本当に仕事が早い。言われた通りのものを、言われた通りにこなしてくれた。
型にはまった仕事の速さと正確さは断トツだった。
旧知の人も何人かいるので、すぐに馴染んだ。

菜々子さんは、仕事はイマイチだった。しかし、持ち前の明るさで馴染んでいた。
しかも美人であるため、特に男性社員からは絶大な支持が集まった。

僕は、事業部長に呼ばれ、頭を下げた。
僕「申し訳ありませんでした。」
事業部長「今後気を付けてくれよ。誤報は時として致命的な信頼低下に直結するんだからな。」
僕「その通りです。本当にご迷惑をおかけしました。」
事業部長「うん。まあ、あれだ。ミスに気づいてすぐに報告してくれたから、すぐに取り消せた。社内だけで済んだから。次からはしっかりチェックしてからやるようにな。」

菜々子さんに用意してもらった資料の引用データが古く、誤った情報を社内展開してしまった。
僕の指示した引用場所を使わず、独断で違うデータを引用したのが原因だった。
口頭で確認を取っただけで、中身を精査しなかった自分が悪かった。社内展開後にちょっと確認した時に気づき慌てて部長に報告に行った。
なんとか社内展開の段階で食い止めたが、危なかった。

菜々子さん「私が適当な仕事をしたばっかりに、本当に申し訳ありませんでした。」
菜々子さんは、今まで見たことのないような顔つきで、神妙に反省していた。
僕「いえ、やらせたのは僕で、僕の名前で出した資料です。しかも、僕は確認を怠った。謝らなくてもいいですよ。これからまた気を付けてやりましょう。」
菜々子さん「本当に・・・ひっく・・済みません・・ひっく・・・でした・・」
僕「え?いや・・その。。本当に気にしてないんですけど?と、とりあえず打ち合わせ室とるから、いったん落ち着こうか?」

菜々子さんは2つ上。お姉さんのように振る舞ってくる。仕事に関しては僕の方が上であるが、やはり年上としてのプライドもあったんだと思う。
彼女は、彼女なりに頑張っていた。それは知っている。年上である自分が、後輩の指示をうまく処理できず、尻拭いを後輩がする。仕事とは言え、キツいよなぁ。

菜々子「・・・私、なにをやっても上手くいかないですね・・お役にたちたいと思ってるんですけど、失敗ばかりで。」
僕「あー、まあ、正直言って申し訳ないですけど、優秀とは言えないです・・・でも、頑張ってるのは誰もが知ってますよ。優秀でもやる気のない子はイヤです。」
菜々子「でも、後輩の竜也さんに迷惑をかけっぱなし。情けないです・・・」
僕「前任みたいに、仕事放棄するより全然マシですけどねw」

僕は、ちょっとくだらない、何気ない話をした。
と、急に、菜々子さんが真面目な顔をした。

菜々子「私、竜也さんに、迷惑のかからないように、頑張って仕事します。」

初めて見る、菜々子さんの顔だった。
この日以来、菜々子さんの、仕事に対する姿勢が、明らかに変わった。

年上ではあるが、本当の意味で、僕に、部下ができた。




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