321:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2017/01/10(火) 23:49:00.88 ID:rFf0XKu30
時間の経過というのは、良くも悪くもすべてを洗い流す。
洗い流すだけではない。次から次へと、何かを堆積させていく。
堆積物は、次第に増えていき、いつか、決壊する。
お互いの理想。お互いの願望が必ずしも叶えられるわけではない。
同棲すれば、衝突はどうしても発生する。
問題は、それを乗り越えられるだけの、双方の努力が維持できるかどうかだ。
残念ながら、僕には、そんな気持ちはもう、残っていなかった。
ユミ「・・なんで、最後まで、してくれないの?」
僕「んー、疲れてるからかな。もう寝よう」
ユミ「私のこと、飽きたの?」
僕「ん?そんなことないよ?」
ユミ「・・・・竜也さんは優しいし、ステキだと思うよ?でも、なんだろう、私のこと、信用してないよね?」
僕「・・・」
ユミ「一緒に暮らすって、こういうことなの?一緒にいて、楽しい?」
僕「・・・悪いけど、説教なんて聞きたくないんだ。一緒にいて気楽にいられないなら、帰ればいいと思うよ。」
ユミ「・・・それでいいの?」
僕「え?いいよ?」
良くないよ。
僕は、ユミのいい所、いっぱい知ってるよ。
コミュニケーション取るのが下手だけど、相手のことをしっかり見ようとする所も、
相手のいいところを、一生懸命探そうとすることも。
料理だって、一つ一つ丁寧に作ってることも。少ないバイト代をコツコツ貯めていることも。
妹思いなことも。人間関係に挫折して高校を中退しちゃって引き籠ってたけれど、とても優しくて頭がいいことも。
朝起きて、おはようを言う相手がいる。
ただいまが言える。
寝る前に、お休みが言える。
こんな幸せが、他にあるとでも?
ユミ「・・・わかった。来週、帰るね。」
僕「そうか。楽しかったよ。また気が向いたら遊びにいらっしゃい。あと、経費とかもういらないから。」
ユミ「そういう所、優しさは禁物だよ?こんな時まで優しくしないでよ。」
僕「・・・荷物まとめるのは手伝うから。あ、好きなもん持ってっていいよ」
ユミは、出て行った。
不思議なことに、ユミは出て行ったが、その後もネトゲでは普通に話をするし、同棲する前の2人と特に変わらないように接してくれた。
静寂に包まれる僕の部屋。
今まで気にもしなかった時計の音だけがこだまする。
ああ、また僕は、一人になったんだな。
こんな生活、意味があるんだろうか?
その冬、僕は、むなしさを抱きながら、過ごした。
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