彼女達との思い出
1- 20
424:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2017/01/23(月) 13:27:18.51 ID:NbjXj4e50
涼子「おじゃまします。」
僕「どうぞ。多少の汚さは目を瞑ってね。」

涼子は翌週、本当にハムスターを見るためだけにやってきた。
マジマジとハムを見る彼女。

涼子「はい。似てますね、私と。」
僕「あれ。まだ気にしてたんだ。」
涼子「そういうわけではないです。」

僕「あ、急に近づいたり上から見下ろしたりすると怖がるから、なるべく低い目線で。ゆっくりと動いてね。」
涼子「分かりました。・・・かわいいですね。」

表情を変えずにそういう彼女。
この時は、社交辞令なのかなと感じた。
だから、手に乗せてみたいというとは思わなかった。

僕「んー、その前にこの洗剤で手をよく洗ってね。」
涼子「私も女性ですので、汚くはしていませんが・・・」
僕「あ、ごめんごめん、そうじゃないんだ。例えば手に香水の香りとかちょっとした匂いがついてると、ハムは差し出された手をエサと勘違いすることがあって。かみつかれちゃうかもだから。この洗剤で匂いを取っておいてほしいんだ。」
涼子「・・・なるほど!」

言われるがまま、ゴシゴシと手を洗う彼女。
いきなり手を出すと噛みつかれるかもしれないので、僕がまずハムを僕の手に乗せ、彼女の手へと歩かせた。

しげしげと眺める。
涼子「・・・軽いのに温かいですね。」

ハムは居心地が良かったのか、彼女の手にうずくまってじっとしていた。
僕「あら。涼子ちゃんの手が気に入ったのかな。」
涼子「類は友を呼ぶんでしょうか?こうすると愛着が湧くのも理解できます。」

彼女の表情は、和らいで見えた。

涼子「・・・檻の中で飼育するのは、少し可哀想でもありますね。」
僕「そうだね。ただ、この子にとってはゲージの中は、安全地帯でもあるよね。自然界だといつ狙われるのかはわからない。どっちが幸せなのかは不明だよ。」
涼子「それもそうですね。」
僕「ここにいれば、安全なエサが食べられる。それに、休みの日にはこうやってリビングを歩かせたりもする。なるべくストレスを感じさせないようにね。」
涼子「意外です。優しいんですね。」
僕「まあ、基本仕事しかしてないしほとんど家にいないから、せめてもの罪滅ぼしかなw」

彼女はそっと手を動かし、リビングにハムを解放した。
ハムはヨタヨタとリビングを闊歩し、クッションの隙間に潜り込んでいった。

涼子「あ、ゲージ?の中のエサ容器、ひっくり返ってますね。」
僕「そうなんだよねぇ。プラスチックのやつを適当に使ってるんだけど、すぐひっくり返すんだ。陶器でちょうどいいサイズのやつを探そうかなと思ってるんだけど、時間もないし、まあとりあえずこのまま様子を見ようかなと思ってる。」

彼女と少し雑談。
短編というフランス映画のビデオを持ってきていた。
ちょっと鑑賞。彼女は特に表情を変えることなく、ビデオを見ていた。とても綺麗だ。
ただ、美人だけれど・・・うーん。美人過ぎて恋愛対象にならないというか、客観的に見ている自分がいた。

僕は女性と一緒に笑ったり泣いたりはしゃいだり怒ったり。そういう付き合いをしてきた。
だから、静かな、(イメージ的には)背を伸ばした付き合いというものになれていなかった。

ただただ静かに流れる時間。
居心地がよかったが、窮屈な気もした。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
459Res/629.83 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice