438:テスト ◆71vVbFpf.c[saga]
2017/01/25(水) 20:17:32.92 ID:83hCJrvX0
淡々と。
そう、淡々と、事務処理をするかのよう。
淡々と、優しく、僕のハムを労わってくれた。
僕は、最後は一人で土を掘り、ハムを弔った。
その間、涼子は僕の車で本を読んでいた。
今思えば、気を使ってくれたのだろう。
車に戻ってくると、本をたたみ、僕を見た。
涼子「これでお別れですか。」
僕「ああ。さようならだな。・・・さよう・・なら・・だ。」
僕「・・・ごめんなさい・・・ごめん・・ごめんね・・・ううっ・・僕が・・僕が・・」
涼子「・・・あの」
僕「あ・・あはは。ごめんね情けない泣けてきちゃった・・・w」
涼子「今日は飲みに行きましょうか。今日くらいなら、お付き合いしますよ。アルコールはあまり飲まない主義なんですが。」
僕「・・・お気遣いありがとう。大丈夫。そこまで気にかけてもらわなくても。今日はありがとう。」
涼子「・・・そうですか。じゃあ、帰りましょうか。夕食はどうしますか?」
僕「食欲ないや。今日はいらない。」
涼子「食べないと、夜寝れないですよ?」
僕「いや、そういうことじゃなくて。。。まあ、いいや。今日は帰るね。送っていくよ。」
涼子「そうですか。じゃあ、帰りましょう。」
涼子は、帰りの車中、特に何も話すことなく、本を読んでいた。
その沈黙が、僕を癒してくれた。
〜〜〜〜
僕「ねえ、ちょっと思い出したんだけど、付き合う前に僕がハムスター飼ってたのって覚えてる?もう15年以上前の話だから覚えてないかw」
涼子「覚えてるよ。竜也君、しょげてたwあの日、慰めようとしたんだけど、拒否されて凹んだものwああ、竜也君は私に興味がないんだって・・・w」
再会の日、僕は久々にハムの話をした。
何しろ、ハムを飼っているのを知っていたのは獣医さんと涼子だけだ。
覚えていてくれたんだ。
僕「あー、どこに埋めたんだっけなぁ・・きっともうわからないな。」
涼子「私も。もうわからないな。」
僕「翌年、命日?に、花を置いたんだ。あれ以来、行ってない。」
涼子「・・・・置いてあった。」
僕「え?」
涼子「私も行ったもの。でも、当たり前よね。ハムちゃんが亡くなったのは、埋めに行った数日前。私は、埋めに行った当日が命日だって思い込んでたなぁ。だから、枯れたお花が置いてあったんだ。懐かしいw」
僕「そうだったんだ・・・・・・ありがとう。あはは・・当時の涼子は、僕が表情を読み取れなかっただけで、やっぱり素敵な人だったんだなぁ。」
涼子「あの頃、もっと楽しそうに笑ってたら、もっと怒ってたら、もっと泣いてたら、別れなかった?」
僕「どうかな。たらればっていうのはない。でも、付き合い方は変わっただろうね。」
・・・
涼子「あー、すっきりした。これからはまたお仕事でお話しすることが・・・ああもうないかもだけれど、もしその時はよろしくね!」
僕「ああ。確かに契約で取り交わししたらもう会う機会なんて限られるな。ま、あったらよろしく!」
いい夜だ。
ありがとう、涼子。
実は、その時の皿は、まだ、手元にある。
何となく、捨てられなかった。今でも、ちょっとした物を入れるために重宝している。
涼子編、終わり。
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