佐久間まゆ「まゆを置いていこうとするプロデューサーさんへ」
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◆agif0ROmyg
[saga]
2016/12/05(月) 22:05:10.78 ID:WGyB4Mc20
そして、しばらく後。
結婚したからと言ってプロデューサーさんの業務内容がすぐに変わるというわけでもなく、まゆとのお仕事も特に変わりなく続いてはいました。
最初の日、何事も無かったかのようにレッスンへ行くよう指示されたときには、流石のまゆも衝動的になっちゃいそうでした。
まゆがどんな思いでいたかも知らないで、全く、なんて人でしょうか。
でも、余裕を見せられていたのも最初の数日だけ。
一昨日くらいからはもう、明らかに憔悴した感じでした。
でもまゆは、あえて距離を置いていました。
物言いたげな視線を感じて、つい手を差し伸べそうになりましたが、まゆたちのより良い未来の為にぐっと我慢。
そして耐えた甲斐あって、今日。
ついにプロデューサーさんはまゆの手を掴んで乱暴に休憩室に引きずり込んでくれました。
強引にベッドに押し倒して、血走った眼で救いを求めるような目つき。
こんな必死な様子を魅せられては、つい抱きしめちゃいそうですが。
身を切る思いで、殊更に冷たい口調で言います。
どうしましたか? もうあれが最後だって言ってたじゃないですか。
不倫は罪ですよ。分かっていますかぁ?
ぐっ、と唇を噛んで傷ついたような表情。
でも、ここで手を緩めることはありません。
まゆだって、とってもとっても傷ついたんですからね。
予めそうなると分かってはいても、辛いものは辛かったんですから。
少し待ってみると、絞り出すような口調でプロデューサーさんは言いました。
離れてみて、やっと分かった。
おれはまゆじゃないとダメだ。
まゆとじゃないと、どうやったってつまらない。
あんな、無味乾燥な女と……
思惑通りの言葉を聞けて、表情がほころびそうなのを堪えます。
それにしても、無味乾燥、なんて。
おとなしそうな女性でしたが、やはりそうでしたか。
まあ、大事に育てられてそうでしたし、不慣れでも当然でしょう。
彼にたっぷり調教してもらった彼のためだけの身体と、経験不足のマグロ女じゃ、比べ物になりませんよね。
新婚ほやほやでここまで言われるなんてかわいそうな気もしますが、仕方ありませんね。
プロデューサーさんがしたいこと、全部受けとめてあげられるのは、まゆだけなんですから。
それを彼にも分かってもらうために、あのお嬢様がプロデューサーさんと知り合うのも妨害しなかったし、結婚の話も受け入れてあげたんですから。
ほんのいっときとはいえ、プロデューサーさんを他所の女に譲るようなマネはしたくなかったのですが。
僅かな間の辛さで永遠の愛を手に入れられるのならば安いものです。
プロデューサーさんは、悪人というわけではないのですが。
結構欲が深くて、自分に正直で、誘われるとホイホイついていくようなところがありましたから。
まゆの身体を好きなようにさせてあげて、彼がずっと押し隠していた凶暴な面を引き出してあげて、その上でまゆだけに依存してもらおうと思ったんです。
こんなに上手くいくなんて、やっぱり私達、相性が良いんですねぇ。
ここまでくれば、もう少し。
まゆがプロデューサーさんにとってどういう存在なのか、徹底的に理解してもらいましょう。
紅潮した彼の頬に手を当てて、まゆはゆっくり語りかけました。
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