【結城友奈は】 樹「失って得た掛け替えのない一日」 【勇者である】
1- 20
4:名無しNIPPER[saga]
2016/12/07(水) 23:56:53.28 ID:+ZLyjhrVo

「いただきます」

「召し上がれ」

食卓に並べられた、お味噌汁にご飯に煮物に焼魚

どれも出来たばっかりで、手を掲げると熱がじりじりと皮膚を焼く

煮物に入ったジャガイモをぱくっと咥えて、下と口裏でぐにゅっと潰すと

染み込んだほんのりと甘みのあるだしが口いっぱいに広がっていく……おいしい

「今日は一日中晴れみたいね」

テレビから流れる天気予報をみて、お姉ちゃんが小さくこぼす

「うん、日曜日なら、もっと良かったのに」

そうすれば、お姉ちゃんとゆっくり買い物にもいけたのになぁ。と思う

お姉ちゃんはそんな私の呟きに困ったように笑って、確かにねぇ。と

残念そうな声を出す

お姉ちゃんはいろんなことを沢山してくれる

なにかサプライズを用意してくれたりとか

おいしくて嬉しいお祝いご飯を作ってくれたりとか

そこまでしてくれなくても良いと思うのは贅沢な悩みだとは思うけど

でも、夏凜さんの時のように

勇者部のみんなでほんの少しだけ開くパーティー

コーラやお茶、スポーツドリンクで乾杯して、

イチゴの乗ったショートケーキをみんなで食べる。そんな位のお祝いが、私は嬉しい

だから、お姉ちゃんと長くお出かけできないのは残念だけど

そんな大きな準備をお姉ちゃんにさせない平日の誕生日は

正直に言うと、残念なのと同時に嬉しくもあったりする

「えへへ、でも。学校がある日はある日でいいかな」

「そっか、そうね。みんなも居るし」

私が嬉しそうに笑うとお姉ちゃんも笑顔になる

それが嬉しくて、またよりいっそうの笑顔を浮かべてみせる

「それならさっと食べて早く行くわよ、樹」

「えーっ、ご飯はゆっくり食べたいなぁ」

「なら、早く起きなきゃだめよ? 樹」

うん、それはそうだ


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
25Res/21.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice