54: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/01/09(月) 16:52:25.44 ID:hbVB15e3O
大丈夫。
そう、自分自身に言い聞かせる。
もしかしたら、明日になったら私の世界が一変しているかもしれない。
「絵ちゃん、ひろ君のことなんだけど……」
ちあきさんをベッドの端に座らせて、私はビーズクッションにどさっと腰を落とした。
「暴走族とかに入ってるんじゃないかしら。ああいう悪影響って……」
タバコの件のことを言ってるのだろう。そういう発想に及ぶのは仕方ないと思う。
眉根を寄せ、髪を掻き上げる。
「あ、絵ちゃんはやってないでしょうね」
「私? しないって」
苦笑い。一度、ひろ君に誘われたことがあるからだ。
ちあきさんの心配する顔に、思わずどきりとする。
お姉ちゃんと二人きりの生活。
何か刺激が欲しかったのだろうか。
いちいち干渉されないように、お姉ちゃんの手の届かない所へ行ってみたかったのか。
ただ、こうやってちあきさんを見ていると、心配をかけさせることがいかに周りを不幸にさせるのか改めて理解できた。
「絵ちゃんはお姉さんなんだから、ひろ君が道を外れようとしたら引き止めてくれなきゃ。小さい頃も、一緒になっていたずらばっかりしてさ、こっちの身にもなって欲しいってものよ。昔、三輪車で池に入ろうとしたときは心臓止まるかと思ったんだから」
小言が始まってしまった。
私は、あー、とか、うん、とか適当に流す。
興が乗ってきたのか、ちあきさんは私がすっかり忘れていた記憶なども引っ張り出してきた。
「小さい頃役割分担したじゃない。私が、お父さんで、絵ちゃんがお母さんで、ひろ君が子どもで」
「したっけ?」
「したわよ。覚えてないの?」
「ちあきさん記憶力いいね」
「あの頃の二人、可愛かったんだから」
「今は?」
「今は、可愛くない」
「ひどい」
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