明日を追い越して
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/12/29(木) 09:01:16.63 ID:GOAuNCibO


駅から、徒歩で10分。
我ながら、割といい場所を借りられたとは思う。


ただ、女の人を泊めるのに充分な広さであるとか、距離であるとかなんて全く考えた事はなかった。

男「……」
女「……」

同様に、今日それが起こりうる事であったなんて。






少し前。

女『ご、ごめんなさい不躾なのは分かってますが、その、お願いします!』

俺から寄せた耳にとんでもない不意打ちを返した彼女は、知ってか知らずか性的なニュアンスから遠く離れたお辞儀をした。
逆に、その意図も無くいきなり男の家に泊めてもらうというのも少し世間知らずなのかとも思った。

女『やっぱり……ダメですかね』

断る理由は何個でも浮かぶ。冷たいものから柔らかいものまで、なんなら連絡先を聞き出しながら別れる事だって出来なくもないと。
しかし、彼女にその気がなくとも俺はその仕草、その声、その縁を手放しがたいと思っていたのも事実であった。

男『……』

女『う。ごめんなさい』

男『謝らないでくださいよ。分かりました、ワケは聞きませんから』

今年はもう仕事も無い。
彼女の忘年会がそうとは分からないが、今日が金曜日で無いあたり明日仕事なんて非常識な事はありえないと思う。

女『あ……』

女『ありがとうございます!』

こんなかわいらしい笑顔を見せてくれる女性が、こんな事で微笑んでくれるというのなら。





……

女「ふふ」

駅のホームで歩いていた時より、半歩くらい近くをついてくる彼女であった。


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