明日を追い越して
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51:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 15:35:29.85 ID:7IdbcMUoO


男「これ、ハンガー余ってますから、好きに使ってください」

女「助かります。ここ掛けちゃって良いですか?」

男「どうぞどうぞ。それアイロン要ります?」

女「あ、お借りします。……マメなんですね」

男「いえ、あんま使いません」

女「あはは……女子力、負けてるかと思いました」

男「まさかあ」


紙袋を解体しながら自分の片付けもする。
終わる頃にはケーキの美味しい時間帯だ。


男「水入れて、ここ押せば出るはずです」

女「ありがとうございます。……あっ」

男「どうしました?」

女「歯ブラシ……」

男「あとで、コンビニ行きましょう」





生活の準備をふたりで進める行為というものは、予想以上に緊張や遠慮を消し去ってくれた。
普通に話しかけて構わない人で、話しかけられて普通に応えられる人。
今までの生活に、こんな当たり前のようで貴重な人は居なかった。同じ境遇の人が、世の中には何人もいるだろう。

女「? どうしましたか」

男「……。あ、いえ。ぼーっとしてました」

苦しかった一年が、この出会いだけで報われた気がした。


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