25:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/29(木) 16:31:25.41 ID:AWhlWl6p0
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病室は、不気味なくらい静かだった。
大きな音を立てないようにリノリウムの床を歩いて行くと、凛ちゃんが寝ているベッドがあった。
すぐ隣まで近づくと、上から凛ちゃんを見下ろす。
顔は真っ白だったけれど、寝顔は安らかで、視ているこっちまで微笑ましくなってくる。
花陽「凛ちゃん……」
凛「………………」
花陽「前に指切りしたこと、あったよね。困ったら真っ先に相談するってやつ、まだ覚えてるかな」
凛「………………」
花陽「私、嘘ついちゃったの。だから針千本飲まなきゃだね」
凛「………………」
花陽「もっと早く打ち明けてればこんなことにもならなくて、私と凛ちゃんと真姫ちゃんとμ'sのみんなで、ずっと楽しいこと……できたのかな」
凛「………………」
花陽「もしもの話って好きじゃなかったけど、今ならちょっとは好きになれそうだよ」
凛「………………」
花陽「だって、その場だけは救いがあるような気がするでしょ」
眼鏡を外して、一番視たくない死を視る。
多分私はこの瞬間を、一生忘れられない。
────この死を。
気が狂ってしまったかのような静かな気持ちを────私は一生忘れられない。
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