モバP「そうして俺は心配するのを止め高垣楓を愛するようになった」
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8: ◆agif0ROmyg[saga]
2017/01/13(金) 22:18:51.96 ID:m+LHJ2JO0
そして、翌朝。

酔いと疲労に任せて寝こけていた俺は、床の上で目を覚ました。

辺りを見渡すと、まだ日の出前。

出勤まではかなり余裕があるが……と、そこまで考えて、自分が服を着ていないことに気づいた。

いや、気づいたというよりは、寒さで無視できなくなったと言うべきか。

昨晩のあの罪深い行いが夢であってほしいという勝手な願いは、誰にも聞き届けられなかったのだ。

うなだれたちょうどその時、隣で寝ていた女は体を起こした。

「あ……おはよう、ございます。
 昨晩は……ふふっ、かわいがってもらっちゃいましたね」

なんでもないことのように言ってくれる楓さんの様子に、こっちが焦る。

「今日は、一緒に出勤しませんか? 同伴っていうんですよね。一度やってみたかったんですよ」

「何言ってるんですか、ダメに決まってます……」

「そうですか。じゃあ、シャワーならいいでしょう? 一緒にしゃわっと、汗を流しましょう」

もしかして、まだ酒精が残ってるんじゃないだろうな。

風呂場でも時間を気にせずいちゃつこうとする楓さんを引き剥がすのに、ずいぶん手間がかかった。

そして、軽い朝食を取ってから、人目を避けて別々に事務所へ。

もちろん仕事が始まったからと言って事態が好転するわけではない。

午前中はレッスンに行ってくれていたおかげでまだ平穏だったのだが、昼には戻ってきてしまった。

「そろそろお昼休憩ですよプロデューサーさん。どこか一緒に食べに行きませんか」

「勘弁してください、今までそんなこと一回も無かったじゃないですか。
 男女二人がいきなりベタベタしだしたら、絶対周りから怪しまれますよ」

こんな俺と一緒にいようとしてくれる楓さんを強いて引き離すのは、罪悪感を大いに刺激される。

が、そんな感傷を見透かしたかのように、そっとにじり寄って来るのが楓さんだ。

「もう、まだ一回しただけなのに……お気に召しませんでしたか。まさかもう私に飽きたなんてことは」

「冗談じゃない、俺たちは本来こういうことしたらいけないんです……昨日の事は謝ります、だから……」

そこまで言おうとすると、楓さんの顔から微笑が消えた。

顔の筋肉がほんの僅かに強張ったような……

ごくごく僅かな違いだが、毎日顔を合わせている俺には分かる。

楓さんがこういう表情でいる時、ごまかしは効かない。


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