33: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 22:32:59.46 ID:CYpm3u/s0
「ごめんごめん…。アイツは女々しいのと…あと…頼りなくないか?」
「えー、そうかなぁ? 緊張してるときでも、Pさんに大丈夫だよって言ってもらえたら勇気出るんだけどなぁ…えへへ…」
いつのことを思い出しているのか分からないが、だりーは表情を笑顔に変えた。
その柔らかい笑みに一瞬見惚れ…それがPに向けられたものであることに気付いてやるせなさがこみ上げてくる。
「でも…アイツは…アイツはだりーには相応しくない…」
「あれ…? なつきち的にPさんの評価って低い…? 前にPさんは大した奴だって言ってなかった?」
「あ…そ、それは……」
それは枕のことを知る前のことだ。そんな昔の話をされても、正直困る…。
あぁ…見抜けなかったそのときの自分が本当に恨めしい…。
「と、とにかく! アイツのことが好きだなんて…そんなのは考え直した方が良い…っ!」
「あっ、なつきち……」
アタシはデスクから尻を上げて、だりーの呼び声にも脚を止めず事務所を出た。
これ以上Pなんかについてだりーと話していたくなかった。
それに、アイツのことを考えると嫌でも黒い感情を思い出してしまって、とてもじゃないが冷静ではいられそうにない。
あってはならないことだ。
だりーの想いが…この世の何よりも綺麗で掛け替えのないだりーの想いが、よりにもよってあの汚れきったPに向けられるだなんて…絶対にあってはならない。
もしだりーが告ったとして、Pがそれに応える可能性は低いと思うが、あのヘタレが土壇場で血迷って大それたことをしないとも限らない。
アイツにはきっちりと釘を刺しておかないとな…。
釘を刺す…刺す、か……くくっ!
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