323: ◆x.53aZIM6g[ saga]
2017/04/01(土) 16:08:49.82 ID:9ix3igxIO
「嘘、嘘、嘘……」
「嘘じゃねえよ早くしろ。あとでけえ声とか出すんじゃねえぞ。わかってるよな?」
真っ赤な先輩の顔。目には涙が潤んでる。
でも、ぼくを見捨てようとした人。
好きだと思ってたのに、こんなのって。
いい人だと思ってたのに、こんなのって。
ぼくは最初人質にされた時から、こう言えたらカッコいいって思ってた。
『俺のことはいい! 先輩は逃げろ!』って。
でも、そんな必要、この人にない。
だって、そういう前に逃げた。逃げようとした。
ぼくがその言葉を言いさえしなければ……いや。
むしろ、言ったらどうだろう?
ぼくがそう言ったら、むしろ罪悪感のようなものから逃げられなくなるかも……!?
胸の中に、どんどん黒くどろりとしているものが注がれる感触があった。
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