7: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/03/12(日) 00:14:45.23 ID:ThtKAN8m0
ひどい猫背のまま、俺は目をこすると大きなあくびをした。
正面の時計にある温度計を見ると表示は、二十六度。少し暑い。
寝間下に着ていたワイシャツの袖口で首元に滲んでいる汗を拭った。
脱水症状や熱中症になってしまうほどではないが、喉が乾いたと、そうぼんやり考えて唾を飲み込み気休め気味に潤す。
「なんであんなやつにミラが……」
「きっとゲスな手段をとってミラを脅迫しているんだ」
思考をスリープ状態から復帰させるとまた陰口が、今度ははっきりと内容まで聞こえてきた。
カケル「はぁ〜〜〜〜……」
俺が付きまとわれているんだよ。しかし、落ちこぼれ同然の奴の言うことに耳を傾けるやつがいるだろうか。
答えは、否。
おまけに俺は病気かと疑うほどの口下手ときている。
思っていることの10分の1でも話せればまた別になってくるのだろうが、これでは、なにを言ったところで、他者のイメージを覆すことができないだろう。
――周囲の人達の視線が冷たい。
「……クズね」
女生徒の一人が、冷たく突き放すようにぼそりと呟いた。
カケル「(まぁいつものことか……)」
他人というものは容赦がなかった。
同情の視線を向ける者も中もおらず、ほとんどが顔を歪めている。
カケル「(友達でもいれば違うのかねぇ)」
俺にとって、こうした光景はめずらしいことではない。
心の中で念仏のようにミラと関わりたくないと願うことしかできないのだ。
普通ならノイローゼとかになってしまうかもしれない。
しかし、ミラと違うクラスであるこの授業中だけが、ミラを遠のくことのできる唯一の環境だというのを俺は噛み締め、平穏を感じていた。
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