【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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170:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:06:34.41 ID:Eb2omwdb0
「人間の心は、元来病んでいるんだ」
「…………」

何を言われているのか分からない顔をしている汀(なぎさ)を見ずに、彼は続けた。

「人は元々死に向かって歩いている。生きている、一分一秒が死への階段だ。しかし生きている間にそれを事実として認識する人は、どれだけいるだろうか……」

坂月はそう言って息をついた。

「いない。誰も彼も、自分がいつ死ぬかわからない恐怖、その絶望を考えない。認識をしない。だが、意識が認識しなくても、心にはその恐怖……絶望の差異が生じさせるエラーは残る」

太陽がゆっくりと下降を始めた。
あたりが燃えるような赤い、夕焼けの色に包まれる。

「それが自殺病のウイルスの正体さ。人間は元々、心に死へと向かっていく絶望から生じる疾患を持った、患者なんだ。スカイフィッシュは、その病気が生み出した二次災害的なものにすぎない」


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