【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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214:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:38:26.25 ID:vhS4jR9Y0
彼にそう呼びかけられ、汀は呆然とした顔で涙を流しながら、いびつな表情で一貴を見上げた。
そして口を震わせて声を絞り出す。

「いっくん……理緒ちゃんがね……理緒ちゃんが、息をしてないの……」
「…………」

誰もいない虚空を必死に抱きかかえながら、汀は掠れた声を出した。

「どうしたらいい? ね、どうしたらいいかな? 私、どうすれば理緒ちゃんを救える? 教えていっくん……私はどうすればいいのかな……?」

一貴は黙って汀の嗚咽を聞いていたが、やがて彼女の前でゆっくり首を振った。

「死んだら、もうここにはいないよ。なぎさちゃん、それは『夢の本質を見ることができる』君の目で、一番分かってることだろ」

静かな彼の声を聞いて、汀は口の端を歪めた。
笑っているつもりだったようだが、それは無残に失敗していた。


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