にこ・絵里・真姫「「「夏、終わらないで」」」
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101:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 14:36:44.44 ID:pBVrEI260


 両手で布団の裾を摘まむように持ち、口元を覆い隠すように引っ張る
1時間は長すぎたかもしれない、肌の温もり篭る布団で寒気を拭おう
そう思い、絵里はまだ冷たい室内で一人呟いた


閉め切った扉のほんの小さな隙間、窓枠と壁の僅かな間


水中で空気袋に爪楊枝で穴を空け、浸水させていくかのように…

 都内のマンションにある一室、小さなアイスボックスとなった
絢瀬宅の長女の部屋は短夜の外気に徐々に侵食される


まだ熱気に満たされない部屋から絵里は出て、台所へ向かう




何か飲みたい、渇きを潤したい



衝動の儘に部屋の戸を少しだけ開けたままにしてグラスを手に取った


戻る頃には程よい室温になるだろうと、公共料金の無駄遣いだったかな
今度はタイマー設定を短めにしましょう、なんてことをぼんやりと考え

冷蔵庫を開く




未開封のオレンジが描かれた紙パック、缶に入った炭酸飲料、etc…


 お昼の内に作っておいた麦茶をグラスに注ぐ
寝る前にまた歯を磨かなきゃと思いつつも唐茶色を乾いた喉へと流し込む





飲み終えた絵里は何となしに手にしていたグラスを見た



透明な硝子は夜が為す暗色と重なり、鏡のように映る者を見せる











"映る者"を見せる







自分の顔は当然映っていた、床に就く直前という事もあり
艶のある金糸雀の糸は束ねておらず、ストレートに流れる長髪

震える唇、2つのアイスブルーは見開き、すぐ横にある2つの瞳に当惑した



 絵里はすぐさま自分のすぐ後ろ隣へ目を配る
そこはただの空間で何者も存在していない、完全な虚であった

グラスと背後を交互に視る、後ろは居ない、しかし手元には居る





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