3: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/06/17(土) 21:36:37.18 ID:BGljWOh70
◆◇◆◇◆◇◆
「シンデレラといえばガラスの靴ってことになってますけど、心さんはどっちかっていうとアクリルの靴ですよね」
イベントの打ち上げでもなければ誰かの誕生日会でもなく、たまたま事務所にいた数人で近場の居酒屋に繰り出したいつもの飲み会。
皆の顔がイイ感じに赤くなってきた頃、はぁとの担当プロデューサーのPがそんなことを言い出した。
「アクリル…? はぁとディスってんのか? あぁん!?」
はぁとの威嚇はPを薄く笑わせるだけ。
「あはは! え? どういうこと?」
はぁとの隣に座っていた早苗さんが身を乗り出して正面に座るPに詰め寄った。
酒酔い特有のデカ目の声量に、すぐ隣で別の話題で盛り上がっていた瑞樹さん、美優ちゃん、楓ちゃんもこっちの話に聞き耳を立て始めてた。
ちなみにこの美女軍団の中でPが担当しているのははぁとと早苗さん。他の三人は別のプロデューサーが担当してる。
「いやいや、ディスってるわけじゃありませんよ。そもそもの話ですけど、ガラスの靴ってすぐ割れそうじゃありませんか? ちょっと階段で躓いたらパリン、足首ひねってパリン、踏ん張ってもパリン」
「勝手にアイドルを踏ん張らせんな☆」
Pが言いながら空になったグラスでコツコツとテーブルを小さく叩くから、はぁとは条件反射的にビールを注いだ…んだけど、もしかしたらグラスをガラスの靴に見立てていただけかもって気付いてデリカシーの無さに心の中でどっせいとローキック。
それより、Pの言いたいことがまだよく分からない。
「もしそんなことになったら足の裏ズタズタですよ?」
「ちょっとエグいぞ☆ 想像しちゃったじゃん☆」
「はは、すんません。でもアクリルってちょっとぶつけたくらいでは割れたりしないじゃないですか。だからタフで落ち着きのない心さんにはアクリルの靴の方が安全かなぁって、そう思いませんか?」
「誰が落ち着きがないか☆」
タフっていうのも言われて喜んでいいかビミョー…うん、やっぱりはぁとディスられてたぞ、おい☆
「そうね! 心ちゃんにはアクリルの靴がぴったりだわ! あははは!」
ついでに早苗さんにもディスられたけど、あまりに気持ちいい笑い声にこっちは許しちゃう。
「いや、笑ってますけど、早苗さんもアクリルタイプですよ?」
「あぁん!? 何よアクリルタイプって!」
「早苗ねぇさんこいつシメちまってくださいよ☆」
早苗さんがテーブル越しにPの襟首を掴みにかかったけど、それはひらりと躱された。
「あとおこちゃま組と愛海や鈴帆あたりの一部の中高生組は強制的にアクリルかなぁ。あれ? 俺の担当してる娘ってだいたいアクリルかよ…」
「アタシらおこちゃまレベルで落ち着きないってこと? え、マジ?」
がっくりとうなだれた早苗さんだけど、その右手は早速ビール入りのグラスに伸びていた。たぶんそういうとこだぞ☆
「というよりは、お二人に関しては、自分から脆いガラスよりはアクリルを選びそうってイメージです」
「ん〜〜? そう…かしら?…足元に不安があると戦えないし…そうかも…?」
「何と戦うんだよ☆」
頭の中でガラスの靴とアクリルの靴を並べてみる。
片方はまさしく透明。でも重くて硬くて、そして脆い。
もう片方は透明度と高級感はすこーしだけ負けるけど、軽いし粘りがあって砕け散ることはなさそう。
舞踏会を過ごすことになるなら、選ぶのはたしかにアクリルの靴かも…。
いや待て☆ はぁとのイメージではいくらアクリルでもヒールのとこで折れそうだぞ☆ もうちょっと太くしてっと…そうなるとチャンキーヒールだな☆ シンデレラ的にこれオッケーなの?
まいっか☆ フィクションフィクション☆
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