シンジ「その日、セカイが変わった」
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203: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/07/18(火) 23:17:28.33 ID:xqLx9XiS0
冬月「――じゃじゃ馬め、可愛げのないやつだ」
ユイ「あの年頃の子は思春期が重なっています。色々、繊細なんですよ」
冬月「レイはともかくとして、セカンドチルドレンの資料は事前に把握してあるのだろう」
ユイ「ここに」パサ
冬月「トラウマをつつくようなマネをしたな」
ユイ「赤木博士がまとめた書類は簡潔明瞭、幼少期にあった母親の自殺。その目撃が、その後の人格形成に強い影響を及ぼしたと記載されています」
冬月「ああ」
ユイ「精神の脆さと危うい均衡のバランス、どれほどの拒絶を見せるのか、控え目にでも確認をしたかったんです」
冬月「それで、ユイ君はどう見る」
ユイ「想像以上の反応ですね……」
冬月「ふむ」
ユイ「あの子の大人への強い憧れは、幼い自分に対する嫌悪感の裏返しでもあるのでしょう。最初はそれだけだった、しかし、いつしか嫌悪感は強迫観念へと変わり自身を追いつめはじめます」
冬月「それがプライドにひっかかっているのか」
ユイ「エヴァの場合は必ずしも良い数値に偏るとは限らない。A10神経で接続している以上、生身の人間では波があるからです。でも、あの子は不調な自分を許せない。なぜならば……」
冬月「亡き母親の影を追い求めているのだろう」
ユイ「恐ろしいのでしょう、必要とされなくなるのが。母親亡き後、残ったのは努力と虚栄心という拠り所。パイロット候補に選出された時、キョウコは笑顔を見せたそうです」
冬月「だが、パイロットに選ばれたからこそ、委員会に母親を死なせる決定をさせた。コアに必要だからな」
ユイ「キョウコがおかしくなってしまったのにも理由があります。どちらにせよ、あの子の運命です」
冬月「いっそ、母親がコアにいると打ち明けてしまったらどうだ?」
ユイ「面白い考えです。弐号機の覚醒、そして精神の安定化につながるでしょう。ですが、懸念がないわけでもありません」
冬月「なぜかね」
ユイ「先ほども申しあげましたが、エヴァはA10神経、つまり多幸感がシンクロの鍵です。数値を高めるには深く深く、一体感を求めコアに近づかなければなりません」
冬月「潜りすぎるというわけか」
ユイ「歯止めがきかなくなれば、取り込まれるのみ。つまり、数値が高くなるにつれてその危険深度に近づいていくのです」
冬月「諸刃の剣だな」
ユイ「L.C.Lには麻薬に似た成分が入っています。あくまでも補助的にですが、いずれ身体に害をなすことも」
冬月「判断はユイ君次第だ。候補はあやつにするのか?」
ユイ「私がほしいのはエースパイロットではない、承認欲求を満たすため、英雄になりたがっている子ではないのです」
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