83: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/06/27(火) 13:20:32.20 ID:d4zFeL7H0
ユイ「――失礼します。あら、こちらで倒れてるのは……お取り込み中でしたか?」
冬月「問題ない、かたはついた。死体はすぐに処理させるよ。今日はどうしたね?」
ユイ「まずは感謝の言葉を。シンジを守っていただき、ありがとうございました」
冬月「白々しい、私は、あの子を守っていたのではない。キミを守っていたつもりだったよ」
ユイ「結果に相違ありません」
冬月「全てはキミの計画の内だったのだろう」
ユイ「私はこれまでの人生で計画など考えたこともありません」
冬月「キミのその笑顔に、俺もすっかり騙されたよ。ただ、純粋なだけだと思っていた」
ユイ「私は願いに対して真っ直ぐでいたい。それだけです」
冬月「そのために、どれだけの人間を欺いてきた」
ユイ「かわいそうな人。あなたは、自分が思っていた理想像と違う私に幻滅なさっているんですね」
冬月「キミに振り回されるのはもうたくさんだ」
ユイ「いいえ。あなたはもう引き返せない。私から解放されたい? それとも、愛されたい?」
冬月「う、き、キミは」
ユイ「感謝しています。あの人から私を守ってくれた。私のために自分を押し殺し、耐えてきたのですね」
冬月「碇の悩む姿も、キミは気にもとめなかったんだろう。俺のようにざまあみろとほくそえんでいたんじゃない。興味がなかったんだろう?」
ユイ「いいえ。愛情を注いでいました。ただ、形が変わるだけなのです」
冬月「詭弁だな」
ユイ「ふふっ、先生。もうひとつ、最後のお願いを聞いてくださいますか」
冬月「聞くだけならな。言ってみろ」
ユイ「シンジをください」
冬月「次は自分の息子を翻弄するつもりか」
ユイ「私の願いの成就は、あの子に幸せな結末になります」
冬月「人を操り、行き先を誘導する。形だけの意思になんの意味がある」
ユイ「重要なのは、自分で選んだという事実のみですわ。それだけで簡単に納得してしまう」
冬月「あくまで己に責任はないと言い張るつもりか。キミのやっているのはただの刷りこみだぞ」
ユイ「そうかもしれませんね。幸せは、掴みとることもできますし、作為的に用意することもできる」
冬月「籠の中の小鳥にするのかね」
ユイ「塀の中の世界が全てであるならば、それは何よりの幸せです」
冬月「間違っている! 人は外を見なければ中の有り難みを実感できん!」
ユイ「シンジならば価値を見い出せるはず」
冬月「なんたる言い草だ! これまでの計画を水泡に帰すつもりなのかっ!」バンッ
ユイ「元々、裏死海文書をゼーレに渡したのは私。……発端は私なんです」
冬月「始まりはきっかけにすぎん。動きだしてしまっている以上、キミの手から離れているのだぞ。直接的にも、間接的にも関わってきた多くの人間の運命が狂わされてしまっている」
ユイ「修正させてもらいます。補完計画をあるべき姿に」
冬月「バカな……! 今さらそんな話が」
ユイ「先生、許してください。約束の時、願いの成就の為に」
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