10: ◆3P1o8JdRMw[saga ]
2017/06/26(月) 23:21:34.79 ID:DTO7WTVj0
先程から顔は熱くなりっぱなしで、これ以上熱くなるなんて思ってもみなかったのに、それをはるかに超えるくらいに顔に熱が集まるのを感じる。プロデューサーのことを男性として意識したことなんて今までなかったのに、彼がアタシのことをそんな風に見ていたと思うとどうしようもなく胸がどきどきと音を立てた。
プロデューサーのこと、アタシは嫌いじゃない。
じゃあ、好き?
考えてみたけれど、答えは出ない。でも、プロデューサーはアタシのことを意識していて、アタシはプロデューサーのことを嫌いじゃなくって。
なにがなんだか、よくわからなくなってくる。笑っている彼の姿。真剣に仕事に取り組んで、営業先でアタシのために頭を下げて仕事を持ってきてくれる彼の姿。そして、先程見た光景。そんなことが頭でグルグルと回っている。
アタシでおっきくしたのなら、アタシが――。
不意に、そんなことを思いついた。思いついた瞬間、あまりのバカバカしさに頭をブンブンと振って追い出そうとするけど、一度思いついてしまったら中々それが頭から離れない。
今まで、男性とそういった経験はないけれど、別に興味がないってわけじゃない。いつだか、プロデューサーに言ったセリフを思い出す。
「だって、最初は好きな人と経験したいじゃん?」
それを聞いて、プロデューサーは「それがギャルっぽくないんだ」と言ってアタシをからかった。今の状況は、果たしてどうなのだろう。
混乱する頭の中で、アタシはいつしかスマートフォンをポケットに入れて、デスクの上にバッグを置き直していた。よくわからない緊張感を持ちつつ、仮眠室の方を振り返る。胸は依然としてドキドキとうるさく鳴り続けている。
そして、フラフラと。熱に浮かされたようにゆっくりと、アタシは仮眠室のドアノブに手をかけた。
そうして、冒頭の状況に至る。
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