9: ◆3P1o8JdRMw[saga ]
2017/06/26(月) 23:19:47.96 ID:DTO7WTVj0
深呼吸をしながら、アタシはそんなことを考える。プロデューサーが言う通り、アタシは男性経験のない初心な女の子なんだ。さっきの光景は、そんなアタシにとって刺激が強すぎる。だから、帰ろう。帰って、明後日からは何もなかったかのようにプロデューサーと仕事をしよう。うん、それがいい。それが……。
そんなことを思った。壁に立てかけてある時計を見ると、アタシが仮眠室にいたのはほんの数分だったみたい。走って帰ればすぐ寮に着く。心なしかおぼつかない足取りで、出口に向かって歩き出すことにした。
その時、カツン、と小さな音が鳴った。
比喩ではなく息が止まったかと思った。思わず振り返って仮眠室を見てしまう。幸いにもプロデューサーが起きたような気配はない。ちょっと安心して、それから音の出何処を探してみる。どうやら右肩にかけてあったバッグが、いちばん端の席にあるパソコンのマウスにぶつかってしまったみたいだった。
パッドからはみ出したマウスを戻してから、アタシはそれがプロデューサーの席であることに気が付いた。聞こえるか聞こえないくらいの、ほんの小さな音だったファンの回る音が少しだけ大きくなる。瞬間、さっきまで暗転していたパソコンの画面がパッと明るくなって、それを見た瞬間、今度こそアタシは息が止まった。
画面には、アタシがいた。
正確には、去年の夏のアタシ。パソコンの画面の中、水着姿のアタシが、人よりも少しだけ大きい胸を強調するようにして写真に写っていた。この仕事のことは、去年の大きな仕事の一つだったこともあって今でも覚えている。そろそろ7月になる今の時期ならば、今年も同じような仕事を取ってくるために、アタシの水着姿を参考にしてもおかしくはない。
でも、タイミングとしては最悪だった。
え、うそ? なんで、アタシの写真。もしかして、そういうことなの? でも、そんな。でも、理由としてはありえないことじゃないし。
そういうことなの?
混乱した頭の中で、アタシならいつもなら絶対に考えないようなことを考え出していた。
プロデューサーは、アタシで大きくしていたのではないか、と。
アタシで興奮して、アタシのことを女性として意識して、そして、おっきくしていた、と。
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