2: ◆3P1o8JdRMw[saga ]
2017/06/26(月) 23:10:08.70 ID:DTO7WTVj0
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正確な時刻はわからないけど、多分日付が変わるか変わらないかくらいの時間だったはずだ。アタシはそろそろと住んでいる寮から抜け出して、事務所に向かって歩みを進めていた。
別に、門限があるわけじゃない。だけど、深夜の女性の一人歩きがどれほど危険かは聞かされていたし、ましてやアイドルが夜遊びしているなんてイメージダウンにつながりかねない。そう言った理由から、寮に住んでいるアイドルの中で深夜の外出をしないことは暗黙の了解になっていた。
そんな中、アタシが事務所に向かっているのは理由があった。お昼の仕事でテレビ局に行くとき、スマートフォンの入った小さなバッグを事務所に置き忘れてきてしまったのだ。人によってはなんてくだらない、なんて笑われるかもしれないけど、アタシにとってスマートフォンは命とメイクの次に大切なものだった。
幸い、事務所から寮までの距離は10分歩けば移動できるくらいの短い距離だったから、散歩がてら軽く外出するくらいいいかと思う気持ちがあった。それに――今の時間でも頑張って仕事をしているであろうプロデューサーに、ちょっとくらいねぎらいの言葉をかけてあげたいな、なんていう小さな下心もあった。
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