3: ◆3P1o8JdRMw[saga ]
2017/06/26(月) 23:11:20.96 ID:DTO7WTVj0
プロデューサー。
死んだような目をしてキーボードを叩いている彼の姿を想像して、ちょっと面白くなった。プロデューサーはアタシの仕事についてくると、いつも「キャラだな」なーんて言ってからかってきて、そのたびにちょっとした口論になるんだけど、別に嫌いなわけじゃない。アタシのやりたい仕事を考えて優先的に持ってきてくれるし、事務員のちひろさんが、
「プロデューサーさん、美嘉ちゃんの為に毎晩遅くまでいろいろな仕事をしてくれているんですよ」
なんてことを言っていた。気の置けない、年上のお兄さんみたいな感じ。アタシは、この関係を結構気に入っている。
月明りと街灯が照らすいつも通っている道は、暗いだけでいつもより随分と頼りなく見えた。無意識のうちに歩くスピードも速まってくる。遠くに事務所が見えて、窓から光が漏れているのを発見した時、アタシは軽く息をついた。
「お疲れ様です」
普段と違って抑えめにそう言って、事務所のドアを開ける。忌々しげにパソコンを操作する彼の姿は、ない。予想に反して、部屋中を照らす蛍光灯はアタシだけを照らし出していた。
誰もいないのかと、一瞬この会社の疑ってしまいそうになったけど、それは杞憂だとすぐにわかった。いつもプロデューサーが使っているPCの電源が付いていたからだ。画面は真っ暗だけど、パソコンのファンが動く音がしていて、その隣にアタシのバッグも置いてある。ここに来た理由を思い出してバッグのあるプロデューサーのデスクの前に移動すると、バッグには「ミカ」と汚いカタカナで書かれた付箋が貼ってあった。
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