かなふみ全然わからんがかなふみこんな感じだったらいいなと妄想したアイドル百合SS
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14: ◆2DegdJBwqI[saga]
2017/07/03(月) 00:01:31.59 ID:GoSg0tP5o

「私が彼の提案を受けた、二つ目の理由ですけど……」
「うん」
「私は、私が好きなものに、もっと釣り合う人間になりたかった」
「ごめん。わかんない。どういうこと」
「私は、文字が、本が、小説が好きで……それらの素晴らしさを心から信じ、愛している。
にもかかわらず……アイドルになる前の私にとって、その素晴らしさを受容する私自身には……何の取り柄もなく、実につまらない人間だと思えて……それが、段々と、じわじわと、真綿で首を絞められるように……日々の読書生活のなかで、苦痛に感じられるようになって……」
「だから、何か取り柄が欲しかった」
「そうです。つまり――」

 ――取り柄は、アイドルじゃなくてもよかった。
 その言葉は、口には出さなかった。喉の奥で、ぐちゃりと潰れて消えた。
 アイドルじゃなくてもよかった。
 アイドルとして、出会い、親交を深めた私と彼女にとって、その言葉をどちらかがたとえひとたびでも口に出してしまえば、今の私たちの関係に、いずれ何か決定的な綻びを生じさせる邪悪な言霊となってしまう。
 そんな気がした。
 私は、そう思った。
 結局、数秒ためらってから、アイドルじゃなくてもよかった、と言う代わりに、

「彼に頼まれたから……アイドルを始めたわけではないのです……」

 と話を結んだ。



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