かなふみ全然わからんがかなふみこんな感じだったらいいなと妄想したアイドル百合SS
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3: ◆2DegdJBwqI[saga]
2017/07/02(日) 23:44:34.85 ID:JoaRaUi7o

 雨音の記憶。
 音の記憶。
 音は、現実を私に近づける。
 彼女が、地に足をつける現実に。
 記憶の底で、開かれたビニール傘がくるりと回った。
 傘布を透かして、細く筋張った銀色の傘の骨に遮られながら、彼女の透き通った白い肌、容易く手折れそうなほど華奢な首と肩が覗いている。

 水色のノースリーブと、基調の白に模様の群青が織りなす水玉のプリーツスカート。
彼女が繰り返し地面を踏みつける足のリズムに合わせて、スカートのひざ元で襞がくしゃくしゃと動く。
その裏にある彼女の形のいい膝小僧を私は想像する。

 はじめてのことだった。
 現実が、あんなにも近しく感じられたのは。
 あんなにも、完璧に、全てが調和して見えたのは。
 得体のしれない感情がこみ上げた。
 それは、小説のなかでしか、私には見つけられないはずの感情だった。

 水音が繰り返し耳朶をうつ。
雨音ではない。水たまりから、飛沫が跳ねる音。ハイヒールで、彼女がアスファルトの地面を叩く音。
 彼女の硬い土踏まずが「世界」とぶつかる音。
 次第に雨音が意識のなかで薄れ、私は彼女の音でいっぱいになってゆく。



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