106: ◆COErr5OWSM[saga]
2017/07/15(土) 01:54:39.96 ID:DOR/zOiN0
返答を待たずに先輩の手をとった。かさぶたになり切っていない柔らかい部分を
愛しい人の爪が削っていく。作りかけの皮はいとも簡単に壊されていった。
「ナ、ナオっ…こんなこと…!」
「あっ…はぁっ…っ…お願いですっ、このまま…んっ」
先輩の顔はいくつかの感情が混ざっている微妙なものに見えた。困惑、同情、軽蔑、恐怖。
今の私は、この人にどう思われているかなどはどうでもよいことだった。
先輩に傷を付けられているという事が何よりも大事だった。
「っ…はぁ……あは…」
ついさっきまで消し去りたかった傷痕は、一瞬で宝物になった。
まだ足りない。全てを先輩に捧げたい。そのまま自分の服をめくって、
腰の近くの脇腹にある傷も上書きしてもらおうと思ったが、腕に力を込められてしまった。
「なに、してんの…ばか……っ」
「なにって…カナさんに協力してもらってるんですよ」
「こ、こんなの、ナオを痛めつけてるだけ……いっ」
先輩の手首をつかんでいる手はそれを離さないように強く握る。
話が、違う。
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