女「好きな人のためなら」 ※百合
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49: ◆COErr5OWSM[saga]
2017/07/07(金) 20:22:13.54 ID:UXa5ajJZ0
「あ」

 
 歯磨きとお風呂を済ませようと洗面所に向かうと、探し物はすぐに見つかった。


(家に上がった時、手を洗ったついでにここでリップ塗ってたのかな)


 すぐに見つけて連絡できていたら、すぐに先輩とまた会えたかもしれない。
ベッドの上でぐうたらしていたことを少し後悔する。しかし
もう過ぎてしまったことはしょうがないと諦めて、浴槽にお湯を半分ほど張って入る。

 さっきからリップが気になってしょうがない。
しかし、手に取ってしまったらもうおしまいのような気がするので、どうにかしてこらえようとする。


(いや…だめ……だめだよ……)


 心はそう思ってはいるものの、ついにリップを取ろうと動く体は止まらなかった。

 また湯船に戻り、浴槽に背を預ける。手元のものはすでにキャップが開けられてしまっている。
目の前まで持ってきてじっと見る。やはりかわいいもの好きな趣味らしく、猫のキャラの柄が描いてあった。

 半身浴にもかかわらず、肩まで浸かっている時の様に心拍数はドクドク上昇していく。


(そう、酔ってるから……酔ってるからこんなこと、するんだ)


 一人で言い訳して、リップと口付けをした。
なんの味も香りも付いていないというのに、私はそれだけで昂った。
濡らさないように棚に置いたリップは、この空間では私にとって、先輩同様の存在になっていた。




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