モバP「アイドルをオモチャにするクスリ 心・響子編」
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9: ◆FreegeF7ndth[saga]
2017/07/15(土) 17:19:51.64 ID:7VfU3ezmo


あらかじめ俺は、心の収録へ付き添うマネージャーに、
『アブないと思ったら俺を呼びつけろ』と言っておいた。

丑三つ時頃、案の定マネージャーから携帯で泣きが入った。
社用車だと角が立つので、自分の車で近くまで行って現場に顔を出す。

『あれぇ? プロデューサー、はぁとのおシゴトはまだ終わってないぞー☆
 こんな時間だし、うぇへへへ……終電、もうないぞ☆ あ、アイドルが終電ないとか言っちゃマズイわな☆』

心は酔いのあまり、キャラがボロを出していた。
強くないくせに意地を張ったまま仕事に出て、酒量が増えてしまったのか。
これでは収録終わりまで持たないだろう。



『あ、ちょっとプロデューサー? 逃げんな☆ はぁと、アナタのために頑張ってるんだからぁー』

俺はそそくさと荷物を置き、番組のディレクターらスタッフに平謝りして休憩時間をとってもらった。

最初からこう対処するつもりだった。心が今回の仕事で粗相したときには、
こうして先方に『プロデューサーへの貸しを作らせて収める』ために待機していたわけだ。

この対処は、アイドル自身やマネージャーへやらせるわけにはいかない。



が、あの時に心の目前に荷物を放置するべきでなかった。

『おープロデューサー、いいの持ってるじゃん☆』

俺が持ち歩かされていた志希の正体不明のクスリを、
心は酔い覚ましと勘違いして飲んでしまったのだ。

『……え、違うの? でもなんか、アタマがスッキリした気がするー』



そして休憩時間が終わった。
心が回復(?)し、また休憩でメリハリがついたのか、現場も緊張を取り戻す。
深夜の収録に活気が戻る。

その中で、俺だけが綱渡りの観客のような気持ちで心を見ている。

心が一発芸のように『しゅがーはぁとって呼べよ☆』というたびに、
調子よくビール中瓶を傾けて黄金色の液体をフワフワと泡立てるたびに、
こなれてきたトークで場を和ませたり笑わせたり自在に切り回すたびに、

俺の頭では『オモチャ』という志希の囁きがリフレインする。

心は、本調子であるはずがないのに、本調子のようなパフォーマンスを見せる。
少しでもおかしな様子を見せたら『すぐ止めさせる』と思っても、
心は『邪魔すんな☆』と言わんばかりに収録を進めていく。



そのまま時計の数字は進み、

『はぁああーっ☆ どうだプロデューサー! はぁと、やり通したぞ☆』

空が白み、繁華街が遅い眠りに落ちる頃、ついに収録は終わった。

『おっ――とっとと、やばっ、今更になって足に……って、はぁとはそんなトシじゃ――っ』

気が抜けたのか、心は俺のそばで足をふらつかせ、俺はとっさに心の上体を支えた。



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