66: ◆JdP.BncS3o[saga]
2017/11/09(木) 23:37:01.26 ID:xG9aVRN90
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3合目 すぐそばで……
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「ちょっとどこまで行くの?帰りのことも考えてる?」
「このまま進んでいって……東吾野駅から電車で帰ろう」
さらりととんでもないことを言う小春。
これは私も黙っちゃいない。
「徹夜で天覚山まで縦走する気?」
「じょーだんじょーだん。それじゃ頂上まで行ったら下りるよ」
「ええ……もうここで引き返そうよー」
一刻も早く帰りたいゆうかとの溝は埋まらない。
帰って勉強したいからというよりも、これは……
「ゆうか、もしかしてトイレ行きたいんじゃ」
「……」
やっぱりそうか。
「そこらへんでしちゃえば」
「仮にも登山部の部長が環境破壊を勧めないように」
「そ、そうよ。だからもう帰ろう、ね」
「あ、もしかしたら山頂にトイレあるかもしれないしやっぱ行こう」
「適当言ってるでしょ」
「……あるわよ」
「本当?」
私がトイレの存在を思い出して口にすると二人が一斉に驚いた。
つい最近設置されたばかりなので小春でさえ知らないのも無理はない。
「やっぱり適当だったか」
「これはもう行くしかないね」
「仕方ない」
少し登った先に目当てのトイレを見つけることができた。
「あった」
「せっかくだから私も行っとこ」
小春がゆうかの後を追ってトイレに駆け込み、思い出したように振り向いた。
「かえではいかなくていいの?」
「あ、うん。さっき行ったばっかりだから」
これは嘘。私もおしっこしたい。それでも私はここにいることを選択する。
「そっか」
二人がトイレに入っていくのを見送ると私はトイレの裏手に回り、足場を眺めてみた。
うん、いい。ここでしよう。
「山に来たからにはお外でしたいわよねー」
周囲を見回しズボンをずり下げて、下着もおろした。
視界が効かないといってもやっぱり野外で服を脱ぐという行為に激しい緊張で足が震える。
誰も来なさそうだし、いっそ脱いじゃおうかしら。
ころんと寝転んで、足だけを動かしひょいとズボンを脱ぎ捨てる。思い切って両足を開き、林の中に向けて勢いよくおしっこを飛ばした。
気持ちいい!いけないこととわかっていてもこれだけはやめられない。
ザザザ……
何に当たっているのだろうか、予想外に大きな音が響き、すっと血の気が引いた。もしこんなところをゆうか達に見られたら私……どうなっちゃうんだろう?
わざわざトイレの裏で、それも環境破壊だとか言ったその直後に……そんな背徳感も手伝ってか、不安と同時に興奮も高まってゆく。
さあ、気づかれないうちに服を直して戻らなきゃ。
ん?
……あれ?
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