68: ◆JdP.BncS3o[saga]
2017/11/09(木) 23:56:41.26 ID:xG9aVRN90
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5合目 そんな趣味あるわけない
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いよいよ山を下りて住宅街へ。
山ならまだしも街中でこの格好はどうにもならないぐらいヤバい。
ゆうかと小春は帰り道の相談をしている。
「バスで帰る?」
「バス停はあるけど歩いても帰れる」
私は平然を装って話に入る。
「そうそれじゃ歩きましょ」
「かえでも歩くほうがいいかー」
「そりゃかえではその格好じゃバス乗れないよね」
あれ?
「気づいてたの!?」
「何もはいてないこと?気づかないほうがおかしいでしょ……」
うん、やっぱり気づくわよね。
「なんで二人とも何も言わないのよ……」
「いやー裸で登山するのが趣味なのかと」
「私も」
二人とも何言ってるのよ。
「そんな趣味あるわけないでしょ……なんでそんな発想が……」
「だってよくトイレの裏でおしっこしてるじゃん?」
一瞬、言葉の意味を理解できず、それから少したってから私は硬直した。
「知ってたの?」
「私これでも部長ですから。怪しい動きをしてたらすぐわかっちゃうのよねー」
「う……」
「そうだ!このネタでかえでを脅して登山部に」
「脅されても入らないわよ」
「とりあえずそろそろズボンはいたら?さすがに街中はまずいと思うわよ」
「……なくしたのよ」
「一体どうやったらなくすのよ……」
「まあまあ。それじゃ帰りますか」
私を心配そうにみているゆうかと対照的に小春はウキウキしてる。
まずい、これはまずい。
「だからこのままじゃ帰れない……」
「あー、うん。まあでも大丈夫。かえでの胸に気をとられて下まで見ないから」
「そんなわけないでしょう」
ゆうかに指摘されるまでは、どうやら素知らぬふりを決め込んでいれば気づかれないと自分に言い聞かせながら耐えてたけど、もう恥ずかしくて立ってられない。
気づけば足の力が抜けてその場に座り込んでいた。
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