25:名無しNIPPER[saga]
2017/08/21(月) 12:36:19.96 ID:TU1NxKyR0
男「………こんにちは」
アライさん「やっぱり人間なのだ。ここに何しに来たのだ?」
男「山菜を取りにきたんですよ」
なんせ手ぶらだから明らかにそんな格好には見えないが、登山や調査よりはマシと思いそう言った。
アライさん「山の食べ物は全部アライさんのものなのだ。お前、横取りする気か?」
男(食いつくのはそっちかよ)
男「いやあ、そんな気は無いですよ。アライさんがいるとは知らなくて。それにしてもこの山全部アライさんの物だなんてすごいですねえ」
アライさん「そうなのだ!アライさんは“もりのおう”だからすごいのだ」
どう考えてもそんな偉大な存在では無いが…このまま話してても雲行きが怪しくなりそうなのでこっちから質問する。
男「ところでそっちの箱に入っているのは?」
アライさん「うっかり忘れてたのだ!食べ物探しに夢中になっていたらはぐれたちびが箱の中から出られなくなったのだあ」
アライちゃん「ままー、はやくここからでたいのらぁ」
男「それはツイてませんね。良かったら出すのを手伝いましょうか?」
アライさん「本当か!?早くやるのだ!」
アライちゃん「にんげんしゃん、たすけてくれるのらぁ?」
男「まあ待ってください、この箱を壊せる道具を取って来ますよ」
アライさん「早く戻ってくるのだー?」
アライちゃん「なのらー」
とりあえずこの場から離れる事はできたが、この様子じゃ親が罠から離れる事は無い。
予定通り殺すしかないか。車まで戻り、手斧と鉈が入ったリュックを背負う。
―――――――――――――――
男「道具を持ってきましたよ」
アライさん「待ちくたびれたのだぁー、お前がのろまだからちびが寝てしまったのだ」
男「ところでアライさん、お腹空いてません?」
アライさん「空いてるけど…今はそれどころじゃないのだ」
男「まあまあ…何か食べないと力出ませんよ?これからこの堅い箱を一緒に壊さないといけないんですから」
アライさん「それもそうなのだ。何か持ってるならよこすのだ」
男「今出しますよ」
男はリュックの中身がアライさんから見えない様に昼に食べる予定だったコンビニ弁当と菓子パンを取り出した。
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