21: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2017/10/08(日) 00:21:39.23 ID:1nHzinqN0
私はようやく自分の間違いに気づきました。
こんなことをいくらしていてもダメだったのです。
どれだけ二人の感情を追体験しても、どれだけ深く絶頂しても…、私が真に求めていたモノは、決して得られないのだということに気付いたのです。
惨めで、惨めで! ただひたすら惨めで!!
身体が泥のように崩れ落ちてしまいそうでした。
そこに美波さんが追い打ちをかけました。
“これからヒドイことするね? でも文香さん、こういうの好きなんだよね?
だからいいよね?ごめんね”
そこまで言うと美波さんは私に絡めていた腕を離し、私を恐れるようにベッドにうずくまりました。
そして叫んだのです。
“文香さんに見られてる。恥ずかしい。もうこんなの嫌!”
つい今しがたまでの悦楽の滲んだ艶声はどこへやら。聞く者すべてが同情を禁じ得ないような、悲痛な声で叫んだのです。
その響きだけでうっかり私も悲しくなってしまいそうでしたが、すぐに気付きました。
それは美波さんの演技だと。
ですが、Pさんがそれに気付ける筈がなく…。
“文香、貴様…”
憤怒の形相で私を睨みつけるPさんがそこにいました。
胸元から股間に引き裂かれるような痛みが走りました。
まるで、文庫本を真っ二つに引き裂くのと同じやり方で身体を裂かれたような、鈍重な痛みでした。
その日に穿いていたスカートとタイツが厚手のもので良かったです。
粗相を止めることができなかったのにもかかわらずPさんに気付かれることはなく、またそれ程フローリングを汚さなくても済んだのですから。
“怖い、怖い”と言う美波さんを見て、Pさんは一度繋がりを解き、彼女の体を仰向けにして向き合いました。
そして、赤子のようにPさんに縋りつく美波さんを、Pさんは強く抱き締め返してあげたのです。
まるで私から彼女を護ろうとしているようでした。
私を睨みつけながら、Pさんが宣言するように大きな声で言いました。
“美波をこんなに怖がらせやがって! 絶対許さないぞ、文香! バラしたいならバラせよ!
クビになっても、後ろ指をさされても、俺が美波を守ってやる! 美波、俺が守るから!
大丈夫だからな、美波! 美波!”
二人は一層激しい口づけを交わしながら繋がり始めました。
Pさんも美波さんもあまりにガッチリ抱きしめ合っているので、私には腰の動きを阻害しているように見えましたが、彼らは別段気にしていないようでした。
しかし時折、Pさんは私に視線を向けるのです。
私が何かしやしないかと見張るための視線。不信と不快感と敵意の視線でした。
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