鷺沢文香「アッシェンプッテルの日記帳」
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25: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2017/10/08(日) 00:26:09.91 ID:1nHzinqN0

書き始める前は、この一か月の間、私自身何がしたかったのか分からなくなっていました。
多少落ち着いた今だからこそ分かるのですが、端的に言えばやはり、私はただ幸せを欲していたのだと思います。

私の誕生日会のあの夜。
Pさんとの語らいと触れ合いで感じた幸福。
強引にでも掴み取ればきっと確かなものにできたソレは、しかし、するりと私の手から零れ落ちてゆきました。
それからの背徳の日々は、その喪失感を紛らわせるための自己防衛行動だったのかもしれません。
快楽と激情に震えている間は、自分が喪失者であることを忘れることができましたから。
ときには、二人を眺めて幻の幸福感を味わえることもありましたしね。

Pさんと美波さんに対しては、11月24日時点では、二種類の相反する感情がありました。
愛と憎です。
私に怒りを向けてきたPさんと、私を出し抜き利用した美波さんに対して、憎しみを抱いていました。(Pさんについては殆ど私の自業自得ですね…)
しかしその負の感情は一時限りの八つ当たりであったのでしょう。
日記を綴り始めてすぐに極めて希薄になり、今では完全に消滅してしまいました。
記憶を反芻を経て事ここに至った今、私は少しも二人のことを憎んだり、嫌いになったりしていないのです。

そもそも美波さんの猛烈なアタックを退けるのは健康な男性には至難ですから、Pさんが美波さんに篭絡されお付き合いを始めるのはごく自然な成り行きでしょう。(私とPさんは別に将来を誓い合っていたわけではありませんし)
またPさんの立場に立ってみれば、あの状況で私に怒りを露わにしたのは極めて正常な反応だと思います。
寧ろ漢を見せたと言っても過言ではなく、彼への想いが一層強くなっている程です。

美波さんについても、前よりもずっと素敵な人だと感じるようになり、慕情に近い感情さえ抱いています。
『恋愛と戦争では手段を選ばない』という格言を私は知っていました。
恋愛においては、裏切りも利用も、なんでもアリなのです。
美波さんは愛する人を手に入れるために、そして、自分へもっと惹きつけるために、尽くせる手を全て尽くしただけのこと。
彼女のその実行力に対して、私は心の底から感服し、羨ましく思うのです。


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