鷺沢文香「アッシェンプッテルの日記帳」
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27: ◆ao.kz0hS/Q[sage saga]
2017/10/08(日) 00:43:27.01 ID:1nHzinqN0
今、分かったのです。唐突に。

美波さんがバスルームへ連れて行かれる直前、私に囁いたことが。
いえ、言葉自体は聞き取れていたのですが、その内容が今までの私には理解できなかったのです。

美波さんは“Pさんとしたくなったら言ってね? 初めからそのつもりだから”と言ったのです。

どうしてこんなに簡単なことに気付けなかったのでしょうか。
だから美波さんはあのとき、私に確認してくれたのですね。
いえ、始めからだったのですね。
あの夜、酔ったPさんをベッドに寝かせようとしてしていたのは、本当は誰だったのか?
私は美波さんに裏切られたとばかり思い込んでいたから、その記憶を決めつけていたのかもしれません。
先輩方はPさんをソファに寝かせようとしていたのに、美波さんが私へのプレゼントという体でPさんと私を同衾させ…そこに自分も加わる…。それこそが美波さんの真の目的だった?
あのとき、美波さんは私を起こすつもりで動いていた?
それなのに私は狸寝入りを続けるし、仕舞いには二人の睦言を見せろなどと宣ったのです。
これには美波さんも困惑を通り越して、私のことを頭が可哀想な阿呆だと憐れんだことでしょう。
(ひょっとすると、それこそが私の性的嗜好だと思ってドン引きしていたのかも…)


美波さんの提示したものは私には端から慮外で、だからこそあれほど苦しんだのかもしれません。
それに社会通念上一般的ではありませんし。
でも、それがどうしたというのでしょうか。
私はもうかなり道を外れているのですからね。

それに尊敬する彼女に憎からず思われていると分かった今、飛び跳ねたいくらいに嬉しく感じている私がいます…。
そして眩暈がするほどに美しい彼女の肢体を思い出すと…胸が異様な高鳴りを…。
これは…ときめき…? 嗚呼、いけませんいけません。

全てが終わったと思っていたのに、その実何も終わっていないどころか、これからやっと始まろうとしているだなんて。
美波さんの真意に気付くことができなかったらと思うと空恐ろしくなります。
東京でのすべてを忘れて、明日にも長野に帰るのが妥当かと考えていましたから。
(そういえば今日のお仕事、全部無断で休んでしまいました…大丈夫でしょうか…)


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