11: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/11/06(月) 01:41:09.25 ID:+KOxMEhE0
◆◇◆
「奏…来た、のか…」
彼は、仕事部屋にやってきた私に困惑していたようだ。部屋の扉を開けて立ち尽くしている私の頭や肩に積もっていた雪をその手で払うと、ばつが悪そうに、重苦しい顔をする。
「ここまで…歩いて来たのか?」
「…いいえ、走ってきたわ」
「…そうか」
彼の表情には陰りがあって、何かを後悔しているみたいだった。数秒の長い静寂の後、彼はまた重苦しく口を開く。
「奏…さっきの俺の言葉だが」
「もう一度」
「え?」
『忘れてくれ』と彼は言うつもりだったのだろう。私はそう言われる前に遮って、彼に一つお願いをする。
「もう一度…私にさっきの言葉を言って」
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