12: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/11/06(月) 01:42:44.12 ID:+KOxMEhE0
「…言えるわけ、ないだろうが」
「お願い」
「俺は…俺は、奏の、お前のプロデューサーなんだぞ。あんな事…」
分かってる、そんなこと。私と貴方は、プロデューサーとアイドルの関係。彼の私への思いはきっと、許されないもの。そして、私から彼への思いも同じだろう。
私はそれを、これまでに何度も忘れようとした。無かったことにしようとした。あこがれと恋慕をはき違えたものだと、自分を説得しようと何度も言い聞かせた。
「だけど」
だけど。出来なかった。消えなかった。私の思いは、変わらず消えることは無かった。
だから。
「応えたいから」
彼へのあの言葉に、ちゃんと応えたい。彼へのこの気持ちを、ちゃんと伝えたい。
「私も同じだから」
「……は?」
「Pさん、私も…私もずっと、Pさんの事が」
そこまで言いかけて、急に視界が暗くなった。冷えていた私の顔が、体温で暖められる。雪で濡れた背中まで、腕を回される。
今度は私の言葉が、彼に遮られたようだ。
急な彼の抱擁に戸惑いつつも、私は息苦しくならないように顔の位置を変える。
「…Pさん?」
「…奏、ごめん」
震えた声で、彼は私に謝った。そして、絞り出すように私にお願いをしてきた。
「そこから先は…俺に言わせてくれないか?」
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