19: ◆U.8lOt6xMsuG
2017/11/07(火) 00:17:05.01 ID:YE/2I1Qv0
奏は後ろ手で鍵を閉める。
「こっちよ」
ようやく口を開いた奏の後についていく。
奏の普段生活している痕跡が、所々に見える。廊下に、シンクに、リビングに、化粧台に。物は少なく、散らかっている部屋が普通な自分とは大違いだった。そして、一人で住むには少しばかり大きいように、足下が冷える廊下を歩きながら思った。
奏の後を歩いてしばらくすると、寝室に辿り着いた。部屋は廊下と変わらずにひんやりとしていて、ベッドの上にあるブランケットが乱雑になっているのが印象的だった。
奏はコートを脱ぎ、マフラーを外し、少し薄着になったところで、そのぐちゃぐちゃのブランケットの上に、ぺたりと座り込む。俺もそれに倣い、奏の左隣に座った。
「ねぇ」
黙ったままの俺に、奏が俺に話しかける。絞り出したようなその声の方を向く、と同時に、腕を頭の後ろまで回されて、2回目のキスをする。
今度は、最初とは違って、唇を重ね合わせるだけのキスじゃ無かった。奏は少しだけ唇を開いて、そこからおずおずと出した舌を俺の唇の割れ目に差し込もうとする。俺のそれを受け入れるように口を開け、舌を出した。
互いに口内を舐め合い、互いの唾液を舐め合い、互いの舌を絡ませ合った。
気づかないうちに俺は腕を奏の背中の方まで回していたようで、引き要せるように身体を抱き締めていた。
暖房が入っていない寝室はシーツまで冷えていて、奏の体温がやけに熱く感じられた。
「んっ…んちゅ、んっ…はぁっ…んん…」
その熱を求めるように強く、強く奏を抱き締め、唇と舌を押しつける。
奏は、俺のスーツを皺が残るくらいに強く握って、顔を上げてディープキスを続けようとしている。鼻息を荒くし、抱き締められながらもすがるように身を寄せてくる奏に愛おしさを覚えた。
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