2: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/11/04(土) 22:51:12.98 ID:W1ZQLmn/0
どれだけ夜が深くなっても、私は眠れなかった。いくらベッドに潜り込み、いくら強くまぶたを閉じようと、あのときの彼の顔が浮かび上がる。
『奏、俺は』
耳を塞いでも、あの言葉が私から消えることは無く、ずっと残り続けている。
『俺は、奏の事が』
外は雪が降っていたと思う。この部屋も、暖房を入れていないし、それなりに寒いはずだ。でも、私の身体はそれと無関係に火照っていて、じんわりと汗をかいている。
心臓がうるさい。血液の流れがうるさい。自分の荒い呼吸がうるさい。
『ずっと…初めて会ったときからずっと』
「…」
私は、何も言えなかった。彼のあの言葉から、あの一言から、逃げ出した。
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