22:名無しNIPPER[saga]
2017/11/09(木) 01:02:37.02 ID:BBRlU/0B0
そこで会話が途切れた。
飼い主は深刻な事を考えているかのように眉間に皺を寄せながら男の傷の手当をしていく。
それを見た男は、この命の恩人が今自分と同じ事を考えているのだろうと感じ、あえて何も言わずに大人しく手当てを受けた。
誰もが思っている事を、何度も何度も口にする必要も無いだろう。
余計な事をしやがって、と。この場にいる二人とも、そう思っていた。
害獣は死に、人と人の会話が途切れ、森に再びあるべき静寂が訪れる。
だが男の胸から引っかかりが消える事は無かった。
まだ、あのハエガイジどもの生き残りがいるからだ。
だが、それを追いかけるのはもう無理だ。
その思いが、後悔が彼の胸をずっと締め付けていた。
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