【エロゲ風安価】春香「魔法戦士ですよ、魔法戦士!」その7
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60: ◆8K4B/3Nlpc[saga]
2017/12/24(日) 22:53:57.70 ID:GuPF27va0
とりとめのない考えをめぐらせながら、手近な、倉庫のような建物の中へと踏み込む。
でも、一歩その中へ入った瞬間、それまでと一転してピンとくるものがあった。

千早(………この、匂い…!似ている、気がする………)

ごくわずか、気にしていなかったら見過ごしてしまうかもしれないくらいだが、確かに感じる。
以前にもイソギンチャク様の体内で吸わされ………嗅がせていただいたのと、同じような、匂い……♥

千早(これは…まだわからないけど、おそらく……ガス、媚薬効果の……)

これで、美希がこの近くにいる可能性が飛躍的に高まったと言える。
それに…イソギンチャク様♥、かどうかはわからないけど、ブラックジャンボの手先も、たぶん同じ場所に……

千早(…落ち着いて、美希を探さないと。慎重に……この匂いを、たどっていくしかないわね)

手がかりがほかに何もないのだから、この判断は当然だった。
わずかな痕跡も見逃してしまうことのないよう、私は深く息を吸い込み、嗅覚に意識を集中させる。
同時に、相変わらず、壁かなにかを隔てたようにぼやけて感じられる美希の魔力の出所を探ることも試みた。

千早(……匂いも、美希の気配も、近いけど…このフロアじゃない。上の、階………というよりは、地下から…?)

なんとなく三次元的に距離がある、と感じていたことの答えが見えてきた気がした。
おあつらえむきに、そう離れていないところの壁に開け放たれたドアがあり、下へと続く階段らしきものが見える。

千早(何が……潜んでいるか……それに、この匂いの正体…も、………、まだ、不明なのだし………)

嗅覚と、頭の中に響いてくるように感じる魔力の波長をとらえることに集中している分、ほかの感覚がぼんやりしてくる。
何があるかわかったものじゃない、と何度も自分に言い聞かせながら、私はゆっくりと地下へ潜ってゆく。

千早(………また、匂い…、強くなって、る…………?これは、きっと………きのせい、…じゃ、………ない…… ……)






…………… …………?

千早(………っ。いけない、集中しすぎたみたい……意識が……)

一瞬前まで自分がどう動いていたのか、すぐには思い出せなかった。
下へ向かう階段を見つけて、それをゆっくりと下り………そう、別のドアを見つけたところまでは、思い出せる。
その向こうから、感じていた匂いが強くなり、でも、美希の魔力は相変わらずぼんやりとしていて………

千早(…まだ、美希を見つけたわけでもないのに。すぐ探索を、再開しないと……)

さっきまで鼻孔をくすぐっていたはずの匂いが、だいぶ薄まったように感じる。
それに身体感覚がまだ完全に回復しきっていないのだろうか、床が、やけに目の前近くに見えた。

千早「ん…………っ、痛…… ………っ? ………え、えっ!?」

また歩き出す前に、背筋を伸ばそうとしたら、首の真後ろになにか硬いものがぶつかる感触がして………
寝ぼけたような自分の声を聞いて、たっぷり数秒経ってから、ようやく頭がはっきりする。

千早(な、なに、これは……!?木の…板?分厚い、首………だけじゃないっ、手首、も!?)

膝が地面……というか、床に触れていることを認識し、顔が床に近い、と感じた理由がのみこめた。
単純な話で、物理的に私が四つん這いになって、床に近づいていただけのことだ。
両ひざをつき、上体を前に倒し……そして、がっしりとした木の板に横並びで開けられた三つの穴に、
首と、それから左右の手首が穴を通した状態ではめ込まれ、拘束されている。
まるで、世界史の教科書で見た、フランス革命の…ギロチンで、処刑される直前の人のような姿勢だった。

「―――おや、ようやくお目覚めですか、しゃいにんぐ・千早。微睡というにはいささか長いようでしたが?」

状況を理解できず、混乱しきっている私のすぐそばから、その穏やかな声が振ってきた。


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