イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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◆b0M46H9tf98h
[sage saga]
2025/10/18(土) 01:52:44.86 ID:N9wuO3HK0
カサルディ提督「それじゃあつけるよ?」
シモネッタ提督「ええ、お願い」
…マッチを擦って集めた枯れ草や松葉に火をつけ、それから小枝に火を移していく……ぱちぱちと次第に勢いよく火が舌を伸ばし始め、テントのような三角形に積み上げた流木に燃え移りはじめた…
提督「無事についたわね」
シモネッタ提督「でも本題はこれからよ? 教官から見えるような煙が上がってくれると良いのだけれど……」
ベルガミーニ提督「流木、もっと集めてきた方がいいかな?」
シモネッタ提督「ぜひお願いするわ、あって困るものじゃないし……ルクレツィア、カルラと一緒に流木集めをお願い」
カサルディ提督「了解」
…まだ湿っている流木に火が付くと、ときおり大きな音を立ててはぜたりしながら白い煙をもくもくと噴き上げ始めた……風下にいると目がヒリヒリしていがらっぽいので、慌てて風上に場所を移す提督たち…
提督「まるでエトナ山ね」
シモネッタ提督「言い得て妙ね。これなら十分見えるんじゃないかしら」
提督「だといいわね……見えたかどうかは教官が教えてくれるのよね?」
シモネッタ提督「ええ、定時連絡の時にね」
提督「あと一時間くらい?」
シモネッタ提督「そのくらいよ……どうやら少なくともひとつは同じ考えの班があったようね」指さした先の稜線の向こう、うっすらと立ちのぼる白煙が見える……
提督「あと、もっと単純な考えを実行した班もあるみたいよ?」提督が視線を向けた島の頂上近く、まばらな林の間にぽっかり広がっている斜面の草原で一生懸命に防水布を振り回している小さな姿が見える……
シモネッタ提督「ふふっ、あんなに布を振り回して……闘牛士にでもなるつもりなのかしらね?」
提督「かもね♪」
カサルディ提督「ふぅ……ただいま」
提督「お帰りなさい。これはまたすごい量ね」
カサルディ提督「あっちの班ののろしが見えたからね、負けちゃいられないでしょ?」
ベルガミーニ提督「はぁ、はぁ……だからっていっぺんに運ばなくても……」
シモネッタ提督「まあまあ。それにこれだけあればお昼に豪華な浜焼きも出来るわ。またエレオノーラにお願いすることになっちゃうけれど……」
カサルディ提督「いいよ。味付けはともかく、獲る方は任せておいて?」
提督「じゃあお母さま秘伝の味付けを披露しなくちゃ♪」
…昼・定時連絡の時間…
無線機「……指導班よりシモネッタ班、定時連絡。状況はどうだ」
シモネッタ提督「こちらシモネッタ、異常なし」
無線機「了解。それから課題については海岸に上がるのろしの煙を確認した。合格だ、よくやったな」
シモネッタ提督「ありがとうございます」
無線機「では周辺に飛び火したりしないようきちんと消しておけ、通信終わり」
提督「……やったわね♪」
カサルディ提督「そりゃそうよ。なにしろこっちには同期トップのエレオノーラと、おばさんからサバイバルを教わったフランカがいるんだから」
シモネッタ提督「ルクレツィアったら褒めすぎよ……さ、お腹も空いたことでしょうしお昼にしましょう」
…提督たちは携行糧食の一食分を開けてクラッカーを均等に分け、それからカサルディ提督が軍用ナイフをくくりつけたお手製の「銛」で射止めたシマダイのような魚を小枝を削り出した串に刺し、提督が携行糧食についている貴重な塩とコショウ、それに野生のオレガノを擦り込むとのろしの残り火でこんがりとあぶった…
カサルディ提督「うーん、絶品……たったこれだけの調味料でここまで美味しくできるなんて、やっぱりフランカは天才だね」
提督「私なんてお母さまと比べたらまだまだだわ」
シモネッタ提督「これでまだまだだとしたら、あなたのお母さまの手料理をぜひご馳走になりたいわ」
提督「それじゃあ卒業祝いにうちに来る?」
ベルガミーニ提督「賛成♪ あ、でも大勢で押しかけて迷惑じゃない?」
提督「そうね……もちろん事前に話をしておかないといけないけれど、お客様が三人ならどうにかなると思うわ」
カサルディ提督「ははっ、これで卒業の楽しみが増えたね♪」
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