イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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◆b0M46H9tf98h
[sage saga]
2025/11/07(金) 02:09:35.21 ID:kpNw0g3l0
…二日目・宵…
ベルガミーニ提督「……すん、すん」
提督「カルラ、どうかしたの?」
ベルガミーニ提督「あぁ、フランカ……いえ、流石に二日目ともなると自分の体が臭っているんじゃないかって気になって……」
提督「分かるわ。支給されたサバイバルセットに石けんの一つも入れておいて欲しかったわね」
…とりあえず小川で水浴びをしタオルで身体をこすっているとはいえ、動き回って汗ばむ事も多いなかで石けんなしは少し厳しい……提督も迷彩服の袖を近づけ鼻をひくつかせてみた…
提督「体臭って自分じゃあ分からないって言うけれど本当みたいね……どう、カルラ? 臭う?」
ベルガミーニ提督「ううん、ちょっぴり汗の臭いはするけれど大丈夫」
カサルディ提督「二人ともどうしたの?」
ベルガミーニ提督「あぁ、ルクレツィア……いえ、この二日というもの身体を洗っていないから体臭が気になって……」
カサルディ提督「なるほど、そういうこと。 私に言わせれば二人はいい匂いで何てことないよ……むしろ私よ」
提督「別に大丈夫だけれど……」
カサルディ提督「優しいねえ、そう言ってくれるのはフランカだけだわ」
ベルガミーニ提督「いや、フランカの言うとおりで臭くはないけど?」
カサルディ提督「磯で魚と格闘して、シャツを袋代わりに貝を運んで汗をだくだくかいている女が臭くないわけないでしょうが……いいの、これも宿命みたいなもんよ」
提督「うーん、ルクレツィアの場合は「臭い」っていうよりちょっと日焼けした肌の香ばしい匂いに似ているかも」
ベルガミーニ提督「あぁ、それだわ! というより、なんか犬の毛皮に顔を埋めたときみたいな♪」
カサルディ提督「……それってケモノ臭いってことじゃない」
ベルガミーニ提督「っ!? いや、そういう意味じゃなくて……温かくて私は嫌いじゃない匂いだから……」
カサルディ提督「取って付けたような気休めをありがとね」
ベルガミーニ提督「いえ、だから……!」慌てふためいて言葉につまるベルガミーニ提督……
提督「ルクレツィア、からかうのはそのくらいにしてあげたら? カルラってばすっかり慌てているじゃない」
カサルディ提督「あははっ、それもそうね。大丈夫よカルラ、別に悪口じゃないって分かってるわ」
ベルガミーニ提督「そ、そう……?」
カサルディ提督「とはいえ犬臭いってのは考え物ね……ねぇフランカ、何かいい手はある?」
提督「そうねぇ……」
シモネッタ提督「三人とも何をおしゃべりしているの? 仲間はずれなんて寂しいわ♪」
提督「あぁ、エレオノーラ。いえ、実はね……」かくかくしかじかと事情を説明する……
シモネッタ提督「なるほどね、それで悩んでいたわけ」
カサルディ提督「そうよ。それにしてもエレオノーラ、このシケた島で二日も過ごしているのにどうやったらそんな良い香りをさせていられるのよ」
ベルガミーニ提督「それ、私も聞きたい。ここには石けんもないのに」
…歯磨き粉は虫歯予防のために用意されているが「三日くらい垢を落とさなくても死ぬことはない」という教官たちのありがたいお言葉によって石けんはない……にも関わらずどこか甘く爽やかな香りを漂わせているシモネッタ提督…
シモネッタ提督「あぁ、そのこと……聞きたい?」
提督「ぜひとも」
シモネッタ提督「よろしい、では教えて進ぜよう♪」おどけて白ひげをたくわえた賢者のような口調を真似ると「ついてきて」と三人を草藪の方へと案内した……
カサルディ提督「ここがどうかしたの?」
シモネッタ提督「うふふ……フランカ、貴女なら分かるんじゃないかしら?」
提督「えぇ? ……あ、これってもしかして野生のミント?」夕闇の中で枝葉に触れると途端に爽やかな香りをさせた草藪は、提督が実家の庭で母親のクラウディアから教わったミントの近縁種だった……
シモネッタ提督「ご名答。それで、柔らかい若枝を束ねてこすると……ね、少しは良い香りになるでしょう?」
ベルガミーニ提督「うわぁ、頭良い……ねぇエレオノーラ、良かったら私にも使わせてくれる?」
シモネッタ提督「私の使いさしを借りなくたって、そこにある材料で作れば良いじゃない♪ べつに私の藪じゃないもの」
ベルガミーニ提督「そっか、それもそうね」
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