561:塔の主 ◆B2ErFCUzdE[sage saga]
2018/02/06(火) 18:49:36.81 ID:4C8nUuLY0
(なんだ?寝ぼけたようなツラしやがって)
皮肉を込めた挨拶にもほとんど反応が無い。
(どうにも不気味だな。なにか罠でも張ってんのか?)
しかしツバキのような正々堂々を重んじる武人タイプが他者を陥れるような演技をするなどとは到底思えない。
「他のお仲間はどうした?たった一人でダンジョンをお散歩とは随分と余裕かましてんなぁ」
探りを入れようと、軽薄な態度で会話を試みるアッシュだったが。
「…きだ」
ぼそっと。
ツバキが何事かを呟いた。
「は?なんだって…」
次の瞬間。ツバキは聞き返そうとしたアッシュに向かって猛烈なダッシュをかける!
「うおっ!? なんだテメェいきなり!?」
あまりの突然の急接近に仲間たちも反応できない。
先手必勝で体当たりを仕掛けるつもりかとアッシュが身構えたその時だった。
「 好 き だ ぁ ぁ ぁ ー!! 」
がばぁぁぁっ!!
「…」
「…へ?」
何が起こったのか、誰も把握できない。
(…なん、だ…?)
突然の告白、そして抱擁された副リーダー自身も状況を把握するまでに数秒を要した。
(は…なんだコイツ。なんで俺コイツに抱きつかれてるんだ?ってかコイツさっきなんて言った?)
「お、おい。お前さっき…」
ぎゅうううっ!
「いででで!」
「何度も言わせるな。…『好きだ』と言ったのだ」
小声で、しかし妙に熱のこもった声でツバキが囁いた。
あまりの展開に部下たちもぽかんと口を開けている。
「ああ…なんということだ。私にとって理想とは正反対のクズのような男がこんなにも魅力的だったなんて…」
「…な、なんなの? disられんのは前からだけど今回は言ってること無茶苦茶だぞテメェ…」
ツバキの態度にアッシュも困惑する他ない。
「あの、副リーダー。ひょっとしてこの女、クスリ盛られたか妙な術にやられたりしてんじゃないですかね?」
部下の一人がようやく硬直を解き、推論を口にした。
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