ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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164: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2018/08/03(金) 12:56:26.55 ID:QUW9kGGa0
ドロシー「…じゃあ見張りは頼んだぜ?」

ベアトリス「…」カクカクとうなずくベアトリス…

ドロシー「よし、ドアには何も挟んでない……まぁそりゃそうだよな」…ドアの隙間に挟んだ細い糸や髪の毛、ノブを動かすとすぐに落ちてしまうようなピン…そういった「痕跡を残すための小細工」がされていない事を確認するドロシー…

ドロシー「さて、書類棚は…と」両手を軽くこすり合わせてから絹の長手袋をはめ、ランタンの灯りが外に漏れないよう雑巾を引っかける…

ドロシー「ふふん…簡単な鍵だな……」がっしりした樫材のキャビネットについている真鍮製の鍵に、キーピックを差しこむ…手首や指のしなやかな十代のうちに養成所でみっちり訓練されただけあって、鍵穴に傷一つ付けないで鍵が開いた……

ドロシー「…」順番に並んでいる書類の列を乱したり、うっかり机の上の物を動かしたりしないよう慎重にファイルや封筒を取り出す……

ドロシー「……これじゃないな。売り買いの予定リストはどこだ…?」

ドロシー「…ふぅ、仕方ない……」部屋を見渡せる位置にある上役のデスクに取りかかる…片膝をついた中腰の姿勢で、指先と音を頼りに鍵を回す……

ドロシー「開いてくれよな……お、いい子だ…♪」


…大きなデスクの引き出しに入っている書類の束を探すドロシー…当然束をまとめているリボンの結び方から書類の順番までを素早く頭に叩き込み、それから取引予定の金額や対象の品物を読み通していく…


ドロシー「…(ケイバーライト鉱石四トン…4250ポンド32シリング……ウェールズ産・良質無煙炭五十トン…556ポンドきっかり……純金百トロイポンド…1072ポンド25シリング…)」

ドロシー「よし……今日はこれで良し、と…」

ベアトリス「…!」中年の警備員には聞き取れない高い周波数で、甲高い口笛のような音が三度響いた…

ドロシー「…っ、ベアトリスの警報だな……」慎重に書類を収めて引き出しを戻し、もう一度鍵をかけ直した……

…一階下の廊下…

警備員「おい、もう一人はどうした?」

ベアトリス「…けほっ、い゛ま゛……上の掃除に゛…」喉の具合が悪い振りをしながら人工声帯を直す…

警備員B「そうか…具合が悪いからって手抜きはするなよ」

ベアトリス「分かっ゛てま゛す……」

警備員B「ならいい……それにしてもあの娘、ひどいガラ声だったな?」階段をランタンで照らしながら、一段ずつ上って行く…

警備員「ああ、こっちまでうつされなきゃいいけどな。で、もう一人はどこだ?」

警備員B「さぁ…向こうじゃないのか?」ランタンをかざしてみながら目を細めて、薄暗い廊下の先を見ようとする…と、廊下の奥から女性のシルエットが近づいてくる…

ドロシー「よいしょ…まったく、やりきれないねぇ……」モップの突っこんであるバケツを両手で提げて、ぼやきながらやって来るドロシー…

警備員「…おい、一体どこを掃除してたんだ?」

ドロシー「言われた通りの場所さね…向こうの廊下を見てごらんよ。処女みたいに綺麗なもんさ♪」

警備員B「…手抜きして勝手に休んでたわけじゃないな?」

ドロシー「へん、そういう事を言うのかい…そんなに言うなら見てごらんよ?」埃っぽい汚れ水が入ったバケツを突きだす…

警備員「うへっ、汚いな…そんなもの見せなくていい」

ドロシー「仕方ないだろ?…こちらのお偉い紳士さまがあたしの仕事ぶりについておっしゃってくれるからさ」

警備員B「ああ、悪かった悪かった……いいからとっととかたづけて来い」

ドロシー「言われなくったってさ、こんなバケツをあと半時間も持たされたら腰が痛くなっちまうよ」

…しばらくして…

ドロシー「お疲れさん…さっきの「警報」ちゃんと聞こえたぜ♪」

ベアトリス「よかったです……やっぱり学校で試すのとは具合が違いますし、上手く行かなかったらどうしようかと…」

ドロシー「なに、だとしても私だって警戒は怠りないからな…いわば予防線さ」

ベアトリス「そうですか…っ///」いきなり「きゅぅ…」とお腹が鳴り、赤面するベアトリス

ドロシー「……せっかくだ、何かつまんで行こうか♪」

ベアトリス「え、でも…」

ドロシー「気にするな、ちょうど立ち売りがいるしおごってやるよ…なぁおっさん、そいつを一つとビールを一パイントくんな」…セブン・ダイアルズやコックニーあたりの訛で「べらんめえ口調」をきかせて声をかけ、油っこいフィッシュ・アンド・チップスを新聞紙に包んでもらい、素焼きの陶器で出来た粗末なジョッキに薄いビールを注いでもらうドロシー…

おっちゃん「へい、毎度……別嬪さんだからおまけしておいてやるよ♪」

ドロシー「へっ、どうもごちそうさま……さ、食おうぜ?」指先でペニー硬貨を弾いて渡すと、テムズ川沿いの護岸に腰を下ろした…



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