ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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483: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2020/12/04(金) 03:09:42.32 ID:hJlK3buT0
L「それが一つ…それに「A」だが、彼女はフランス系で「カエル」の連中はアイルランドを支援したこともある」

ドロシー「……それだけか?」

L「それだけ揃っていれば十分だと思うが」

ドロシー「なるほど…ま、私に言わせれば「空を飛ぶからコウモリは鳥の仲間だ」って言うくらいこじつけ臭いけどな」

L「こじつけだろうが何だろうが、向こうを納得させられる理屈さえ通ればそれで構わん」

ドロシー「分かったよ…それで、連中はどこにいるんだ?」

L「こちらの連絡員によって、首謀者と思われる連中はロンドンデリーに潜伏している事が確認されている……船のチケットは用意してあるから、まずはアイルランドへと渡って連中と接触を図り、計画を探り出せ」

(※ロンドンデリー…アイルランド北部の都市。地元ではただ「デリー」と呼ばれる)

ドロシー「分かった」

L「それと君が指摘したように、ただ「入れてくれ」と言ったところで疑り深い連中が見ず知らずの人間を入れてくれる訳がない……手土産を持って行け」

ドロシー「連中の好きなウィスキーのボトルでも持って行くのか?」

L「いや…彼らの組織に入り込んでいる王国側「モール」の首だ。手土産にもなるし、王国の対アイルランド情報網をつぶす事も出来る…こういう使い道もあると思って今まで泳がせておいたのだが……まさに「一石二鳥」というわけだな」

ドロシー「なるほどな…」

L「ベルファスト行きの船便は今週末にリヴァプールから出港する。それまでにアイルランドに関して予習をしておくといいだろう……学校の試験にも役立つかもしれんぞ?」

ドロシー「…結構な事で」

…寄宿舎・部室…

アンジェ「……壁の東西を問わず、アイルランドは悩みの種ということね」

ドロシー「まぁな…とにかく、まずは連中の間に潜り込まないことにはどうにもならない……幸い学校も長期休暇の時期でお休みだし、ちょっとばかり旅行に出かけたっておかしくはないさ」

アンジェ「確かに……ところでさっきから、一体何をしているの?」

ドロシー「これか?」

アンジェ「ええ」

…アンジェが視線を向けた先にはナイトガウン姿で安楽椅子に座り、グラスを傾けながら読書にいそしんでいるドロシーがいる…

ドロシー「こいつはコントロールから受け取ってきた資料さ…ゲール語版の「トゥアハー・デ・ダナン」でこっちが「ケルト神話集」……何しろ王立図書館でゲール語の本を閲覧しようとすると、身元を調べられるからな」

(※トゥアハー・デ・ダナン…アイルランドの神話・伝説集)

アンジェ「なるほど……で、それは?」

ドロシー「ジェームソンだが」

(※ジェームソン…ジェムソンとも。アイリッシュ・ウィスキーの古い銘柄の一つで、泥炭でいぶした香りが特徴)

アンジェ「ジェームソンなのは分かっているわ…どういうつもりで飲んでいるのか聞いているの」

ドロシー「知れたことさ。仮にもアイルランド系っていうカバー(偽装)で潜り込もうっていうのに、ウィスキーも飲めなきゃ「クランの猛犬」クー・フーリンの物語も知らないって言うんじゃあ怪しまれるからな……何しろアイルランドの連中は詩人でロマンチストだ、神話や伝承ってやつが大好きなのさ」


(※クー・フーリン…ケルトの半人半神の英雄で幼名はセタンタ。王の飼っていた猛犬を誤って殺してしまったため、代わりの犬を育てるという約束で王に仕え、師匠であり「影の国」の女王、さらに予言の能力も持つ女武芸者「スカアハ」から授かった槍「ゲイ・ボルグ」で数々の偉業を成し遂げた……アイルランド人の理想であり非常に人気があったため、独立闘争のシンボルとしてもよく用いられた)


アンジェ「……そうね、貴女を見ればよく分かるわ」

ドロシー「おっしゃってくれるじゃないか…ま、お前さんはアイシッシュを気取るわけじゃないから英語版でいい。ま、寝る前にでも読むんだな」そう言いながら厚手の革表紙の本を渡した…

アンジェ「ええ、そうさせてもらうわ」

ドロシー「後はプリンセスに状況を説明する必要がある……そいつはお前さんがやってくれ」

アンジェ「分かった」




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