ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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506: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2021/02/02(火) 02:12:55.00 ID:MJAwUMIL0
…翌日・「ケンジントン・ガーデンズ」…

ドロシー「あら「あの水鳥はなんでしょう」ね?」

L「さぁ、私は鳥類にはうといもので…しかし「多分アヒルではない」でしょうな」

…ロンドン中心街のひとつ、ウェストミンスター区にある「ケンジントン・ガーデンズ」は、かつて川をせき止めて作った大きな人工池「サーペンタイン」を挟んだ「ハイドパーク」と隣り合っている。ケンジントン・ガーデンズとハイドパークも共は緑豊かな大きな公園で、ロンドン市内にありながら小鳥のさえずりや水のせせらぎが聞こえてくる……二人は水面で泳ぐ水鳥を眺めているふりをしつつ、何気ない会話のような合い言葉を挟む…

ドロシー「そうですね…」

L「教えてあげられなくて申し訳ない……さて、報告を聞こう」

ドロシー「ああ…独立派はクィーンの首を取る気でいて、こっちがお膳立てしたプランに食いついた」

L「そこまではいい……しかし疑り深く気が短い連中のことだ、きっと土壇場で勝手な真似をするだろう」

ドロシー「分かってる。もとよりそれも組み込んであるわけだからな……それよりも「モノ」は手に入ったのか?」

L「当然だ」

ドロシー「そいつは良かった」

L「しかし喜んでばかりではいられんぞ……フランスの現地協力者が手配した漁船が王国の税関当局に拿捕されて、アイルランドから人を乗せたことが漏れた」

ドロシー「そうかい……ところで、もっと頭の痛いことを教えてやろうか? グループのひとつで構成員が切符を買い間違え、おまけに短気を起こして検札係につかみかかったとさ」

L「……馬鹿め」

ドロシー「ああ…今ごろは間違いなく防諜部、公安部、スコットランド・ヤードのデカたちが血眼になってアイルランド人を探しているはずだ」

L「むむ……どうだ、やれるか?」

ドロシー「やるさ…あいつらがいる間はロンドン中の警戒が強まって、こっちまでやりづらくなるからな」

L「分かった」

ドロシー「…当日に関しては私がおっぱじめるが、どう収めるかはその場次第で決めさせてもらう」

L「無論だ……とにかく、今回だけはクィーンを守り切り、連中の「チェックメイト」を許すな」

ドロシー「任せておけよ、チェスは得意な方なんだ♪」

…数日後・郊外の森…

ドロシー「……うーん、いい空気だ。こんな上天気になるって知ってたら、バスケット(カゴ)にサンドウィッチでも入れてきた所なんだがな」

アンジェ「あきらめなさい。それより、射点の調整を済ませてちょうだい」

…人気のない森にやってきたドロシーとアンジェ……そしてかたわらの古毛布には、フランス製の「ルベル」ライフルと8×50ミリRの弾薬、それにスコープ代わりの小さい望遠鏡がいくつか並べてある……ライフルの木被は機構に影響がない場所に穴を開けてあり、そこに真鍮で作った特製の基部(マウント)が取り付けられるよう加工してある…

ドロシー「ああ……観測を頼む」一挺を取り上げると肩付けし、弾を込めると慎重に照準を定めた…そして数十ヤード先の地面には白くて見やすい白樺の細枝が突き刺してある……

アンジェ「……始めて」

ドロシー「…」タアァ…ンッ!

アンジェ「右に六インチ、手前一ヤード」

ドロシー「ああ…」パァァ…ン……ッ!

アンジェ「右三インチ、奥に半ヤード」

ドロシー「どうも照準が合ってないな……次弾、行くぞ」

アンジェ「…右に半ヤード、前後はちょうどよ」

ドロシー「よし、あと数発やってみよう……ただ、この銃は右にそれるな」

…一時間後…

ドロシー「…これが一番いいみたいだな」空薬莢が散らばる中で身体を起こし、選んだライフルを布にくるむと肩を回した…

アンジェ「そうね」

ドロシー「後のやつはここに埋めていけばいいし、空薬莢も同じだな」

アンジェ「ええ」

ドロシー「それにしても腹が減ったな……ロンドンに戻ったら何か食おうぜ?」

アンジェ「それよりも「バスケットに入ったサンドウィッチ」がどうのこうって言ってなかったかしら…?」無表情のままバスケットの蓋を開けると、白パンのサンドウィッチがいくつか入っていた…

ドロシー「…さすが♪」


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