ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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518: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/03/06(土) 01:29:41.15 ID:p8hLcXu/0
…数時間後・集合地点…

オニール「……無事だったのはお前たちだけか」

構成員B「どうやらそうみたいだ」

構成員H「…ってことは、オハラたちは全滅か……くそっ」

構成員I「畜生…」

…三々五々と集合地点の下宿に集まり、椅子ときしむベッドに座り込んでいる独立派たち……だが、アイルランドを出たときに比べると構成員は数人まで減っている…

構成員B「しかしオニール、あんたが無事だっただけでもめっけものだ…」

構成員H「そうだな……あんたの頭脳と腕っ節があれば、また再起を図ることだって出来るってもんだ」

オニール「…すまんな」

…少し離れた屋根裏部屋…

ドロシー「……尾行はないな。てっきりスペシャル・ブランチが金魚のフンみたいにくっついてくるかと思ったんだが」

アンジェ「…もしかしたら泳がせているのかもしれないわ」

ドロシー「それならあのネストにだって監視がつくはずだ…見失ったのか、それともこれから監視の網をじわじわと締め上げていくつもりなのか……」

アンジェ「スコットランド・ヤードの刑事たちなら前者、防諜部やノルマンディ公が相手なら確実に後者ね」

ドロシー「だな。ま、とにかく幕が下りるまでは「続きを演じる」しかないか……行こう」

アンジェ「ええ」

…数分後…

構成員I「誰だ?」

ドロシー「私さ…「シャムロックで一杯飲んだ」じゃないか、声まで忘れちまったか?」ノックすると緊張したような声が帰ってきたので、ドア越しに合い言葉を告げるドロシー……

構成員B「…あんたたちか」

ドロシー「ああ……」部屋に入るとドアを閉め「これだけか?」と尋ねるように室内を見渡したドロシー…

オニール「馬車を襲撃した面子で戻ってきたのおれたちだけだ……ミス・ブーケ。オハラたちはどうなった?」

アンジェ「…襲撃の直前にスペシャル・ブランチの「手入れ」があって逮捕された……私だけは逃げ延びたけれど」

オニール「そうか……ところでミス・マクニール。オブライエンはどうした?」

ドロシー「…まだ戻ってきていないのか?」

オニール「ああ…まだだ」

ドロシー「そいつは…狙撃した後は「裏口から出て、逃げ惑っている市民に紛れて抜け出す」って手はずになっていたんだが……」

構成員H「オブライエンもか……畜生」

オニール「仕方ない、おれたちはやれるだけやったんだ……ところで、この後はどうやって逃げ出す。例のカレーに向かう漁船に乗り込むのか」

(※パ・ド・カレー…ドーヴァー海峡で最も近いフランス側の港)

アンジェ「いいえ、あれは偽装です」

構成員B「偽装だって?」

アンジェ「はい。事前に話した計画では「ドーヴァーの港から協力者の用意した漁船に乗って海峡の中ほどでフランスの漁船と落ち合い、大陸側に渡り、そこで別の身分を整えアイルランドに戻る」という話でした」

ドロシー「だが、そんなのは「イカサマカードを袖口に隠す」くらいよく知られた手段だから、公安が手ぐすね引いて待っているに決まってる……あれは事前に誰かが捕まって情報を吐かされたときのための作り話さ」

構成員I「じゃあ本当はどうするんだ」

ドロシー「そいつは簡単さ……リヴァプールまで汽車でゴトゴト揺られていって、あとは船でベルファストだ」

構成員B「なに!? 冗談じゃねえ!スペシャル・ブランチが鵜の目鷹の目で探しているって言うのに、のんきに汽車で帰るっていうのか!?」

構成員H「自殺するにしたってもう少しマシなやり方ってものがあらあ!」

ドロシー「あのな……あたしもフラソワーズも、別にただ「乗っていこう」って言ってるんじゃないんだぜ?」

アンジェ「ええ、そうです。詳しく聞けば納得いただけるかと」

構成員たち「「…」」

オニール「分かった……聞こう」


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