ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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520: ◆b0M46H9tf98h[sage saga]
2021/03/20(土) 02:56:43.97 ID:Zb/gq4i+0
…さらに数分後…

身なりのいい紳士「君、ちょっといいかね?」

検札係「はい。何でしょうか」

紳士「……我々はこういう者なのだが」背広の内ポケットから二つ折りの身分証を取り出し、そっと見せた…

検札係「公安部…!」

紳士(公安部エージェント)「そうだ…この数十分以内に四人連れか、それ以上の団体を相手に切符を切ったか?」

検札係「ええ、それなら先ほども防諜部の方が来て聞かれました……」それから二人のエージェントが発車直後の急行列車に飛び乗った事を伝えた…

公安部エージェント「なるほど…結構だ」

検札係「は、はぁ……」

…駅前…

公安部員「……防諜部の奴ら、向こうの思い通りに踊らされているな」

公安部女性エージェント「そうですね」

公安部員「よし、お前は本部に連絡を入れろ「スープ鍋は火にかかっている」とな」

公安エージェントB「はっ」

公安部員「我々は本命の列車を追う。今から車を飛ばせば地図のこの辺りで追いつけるはずだ…飛ばすぞ!」一人を連絡のために残し、残り三人は公安部がよく使う黒いロールスロイス(RR)に乗り込んだ…

公安部エージェントC「了解」

…しばらくして・列車内…

構成員I「…それにしても、どうしてあのチェスター行きの列車に乗らなかったんだ?」

ドロシー「そいつは簡単だ…あまりにも見え透いているからさ」

…一旦は急行列車に乗り込んだもののすぐに反対側の扉を開け、機関車の蒸気や煙に紛れて隣の線路に停車していた貨物列車へと乗り移ったドロシーたち……構成員たちは様々な木箱や袋を積んでいる有蓋貨車の中から麻袋をかき集め、少しでも居心地がいいよう木箱の上に敷いて座席のようなものを作っている…

構成員B「でも、ネストを出るまでは「すぐにロンドンを出てライミー共の裏をかく」って言ってなかったか?」

ドロシー「そりゃあな…だが、女王に手を出したとなれば出てくる相手は内務卿(ノルマンディ公)直轄の公安部だ」

構成員H「公安部だって…!?」

ドロシー「そうさ。連中の切れ者ぶりはスコットランド・ヤードの刑事たちや防諜部よりもさらに一枚上手だ。おそらく通り一遍な「裏をかく」ための手はずも見抜いているはずさ……それでいくと、あの列車じゃあ分かりやすすぎる」

オニール「…どういう意味だ?」

ドロシー「簡単さ……今どきアルビオン女王を狙おうなんて奴らはアイルランドの独立派くらいしかいない。となれば連中は「暗殺に失敗した以上、あいつらは取る物もとりあえずアイルランドに戻ろうとするだろう」と考える」

構成員I「おい、連中の考えじゃあ「ほとぼりが冷めるまでロンドンで待つ」んじゃなかったのか?」

ドロシー「確かにスコットランド・ヤードのスペシャル・ブランチならそう考えるかもしれない。だが公安部や防諜部が出てきた以上「ロンドンで息を潜めている」パターンと「尻尾を巻いて逃げ出す」パターンの両方を念頭に置いて考えるだろう…後は時刻表を見て一番早いリヴァプール行きか、その近くまで行く列車を探せばいいだけだ」

構成員B「それでこんな貨物列車に乗りうつったのか」

ドロシー「そうさ。貨物列車は普通の時刻表には掲載されていないからな…上手くいけば気づかれずにリヴァプールまで行けるだろう」

構成員B「なるほどなぁ…」

ドロシー「…それと車内サービスは受けられない分、駅でサンドウィッチを買っておいたからな。欲しいようなら取ってくれ……相変わらず古い辞書みたいにパサパサなアルビオン国鉄のハムサンドウィッチだがね」

構成員H「なぁ、食い物より酒はないか?」

ドロシー「一応ウィスキーの瓶は持ってきたが…あんまり飲み過ぎるなよ?」そう言いながらもアイリッシュ・ウィスキーの瓶を手渡した…

オニール「その通りだ。故郷の土を踏むまでは気を抜くな」

構成員H「分かってるよ、オニール。口の中がほこりっぽいから流すだけさ」

オニール「ならいいが…酔うと人間はドジを踏むからな」

ドロシー「ああ、その通り」



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